モル(mol)とは|SI単位の物質量とアボガドロ数の定義

モル(mol)の定義とSI単位としての物質量、アボガドロ数(6.022×10^23)の意味や計算、重さの違いを日常例でわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

モル(mol)は、物の「個数」を表すSIの単位で、正確にはある種類の「基礎的な実体(元素、分子、イオン、電子など)」の個数を表すための単位です。1モルは、同一の実体をちょうど 6.02214076×1023 個含む量であり、この数をアボガドロ定数(またはアボガドロ数)と呼びます(記号:NA)。モルの記号は「mol」です。アボガドロの数は2019年のSI単位系の改定で定義値として固定されました。

定義の背景と歴史

かつては「モル」は「12 gの炭素12に含まれる炭素原子の数」といった定義に基づいて扱われていましたが、2019年の国際度量衡総会により、モルはアボガドロ定数を固定することで再定義されました。この再定義により、モルは他の基本定数と同様に、特定の固定された数値(6.02214076×1023)を基にした厳密な単位になりました。

実際の意味と日常例

  • 「1モルの水(H₂O)」は約18.015 gの質量をもちます。すなわち、約18 gの水に含まれる水分子の数は6.02214076×1023個です。
  • 「1モルの二酸化炭素(CO₂)」は約44.01 gです。物質ごとにモルあたりの質量(モル質量)は異なりますが、どれも同じ個数(アボガドロ数)が含まれます。
  • 1モルという数は非常に大きいため、原子や分子といった極めて小さな粒子の個数を現実的に扱うのに適しています。たとえば、1モルの電子や1モルの原子は実験や化学計算で普通に扱われます。

モルと質量の関係(原子質量単位との結びつき)

原子や分子の質量は通常、統一原子質量単位(記号 u、通称ダルトン Da)で表されます。1 u は、定義上「炭素12原子の質量の 1/12」とされ、値は約1.66053906660×10-27 kgです。重要な点は次の関係です:

  • 原子や分子の相対質量(u)とその物質のモル質量(g/mol)は数値的に等しい、つまり「ある粒子の質量が x u なら、その粒子1モルの質量は約 x g」である、ということです。たとえば炭素12の相対質量は12 uなので、炭素12の1モルは約12 gになります。
  • このため「1 u の粒子を1モル集めると約1 gになる」と言えます(厳密には単位系を揃えると成り立ちます)。

大きさの実感(スケール感)

アボガドロ数は6.0×1023と非常に大きな数なので、個数としてのスケール感は日常感覚を超えます。例を挙げると:

  • 1モルの水(約18 g)には約6.0×1023個の水分子が含まれています。日常的な質量で非常に多くの分子を含められることが分かります。
  • 一方、個数で考えると例えば1モルの硬貨や果物を現実に集めると質量や体積は途方もない値になり、地球規模の大きさやそれ以上になることが多いです(物質の密度や個々の大きさによる)。

まとめ(ポイント)

  • モル(mol)はSIにおける物質量の単位で、1モルは正確に 6.02214076×1023 個の「実体」を含みます(アボガドロ定数)。
  • モルは粒子の「個数」を扱うのに便利な単位であり、化学計算や量的分析で広く使われます。
  • 物質ごとのモル質量(g/mol)は、その物質の分子量(u)と数値的に一致するため、原子質量単位とモルは密接に結びついています(例:1 u の粒子1モル ≒ 1 g)。

モグラを使った数学

モル=質量(g)/相対質量(1モル当たりグラム

例文です。水素20グラムの中に何モルある?

正しい値は少し大きいですが、水素の相対質量には1の値を使うことができます。ですから、モル数=質量/相対質量=20/1=20モルとなります。

モル数=濃度(mol/dm3)×体積(dm3)

例題。0.1M H2SO4の100cm3には何モルがありますか?

1 dm3は1000cm3と同じなので、立方センチメートルの値を1000で割る必要があります。100/1000×0.1=0.01モルです。

メタン分子は炭素原子1個と水素原子4個でできています。炭素の質量は12.011u、水素の質量は1.008uで、メタン分子1個の質量は12.011u+(4×1.008u)、つまり16.043uとなります。

もぐらは、大きさの異なるボールが2つの袋に入っていると考えることができます。片方の袋にはテニスボールが3個、もう片方の袋にはフットボールが3個入っています。どちらの袋にも同じ数のボールが入っていますが、質量はフットボールの方がはるかに大きいのです。物事を測る方法が違うのです。モルは粒子の数を測るもので、質量を測るものではありません。ですから、両方の袋には3つのモルが入っています。

モグラとは、単純に物の数の単位です。他の一般的な単位には、12を意味する「ダース」や20を意味する「スコア」などがあります。同様に、もぐらは特定の量を指します。このような単位は、既存の単位では何かを簡単に説明することができない場合に、一般的に考案されます。化学反応は通常、重量の異なる分子間で行われるため、個々の分子の反応を比較した場合、質量(グラムなど)の測定値は誤解を招く可能性があります。一方で、原子/分子/イオンの絶対数を使用しても、膨大な数が関与しているため、値を間違えたり、桁を落としたりすることが容易になるため、混乱を招くことになります。このように、モル数で作業することで、科学者は過度に大きな数に頼ることなく、分子や原子の特定の量を参照することができます。

関連ユニット

モル濃度のSI単位はmol/m3です。しかし、ほとんどの化学表記はmol/dm3、つまりmol/Lと同じmol dm-3を使用しています。これらの単位は、大文字のM(発音は「モル」)で書かれることが多く、時にはSIの接頭辞が前に付くこともあり、例えば、1リットル当たりミリモル(mmol/L)またはミリモル(mM)、マイクロモル/リットル(μmol/L)またはマイクロモル(μM)、またはナノモル/L(nmol/L)またはナノモル(nM)などです。

化学反応の絶対収率は、主にモル単位で記載されています(「モル収率」と呼ばれます)。

質問と回答

Q:分子や原子の測定に使われるSI単位は何ですか?


A:分子や原子を測るSI単位はモルです。

Q:1モルには何個の分子が入っているか?


A:1モルには約600セプティミリオンもの分子が含まれています。

Q:科学者はなぜこの数字を使うのですか?


A:科学者は、1グラムの水素が1モルの原子に相当することから、この数字を使っています。

Q:1モルの正確な数値は?


A:1モルの正確な値は6.02214078×1023で、発明者のアボガドロにちなんで命名されました。

Q:ほとんどの関数をモル単位で測定することは実用的ですか?


A:いいえ、グレープフルーツ1モルが地球サイズになるくらい巨大な値なので、ほとんどの作業をモル数で測定するのは現実的ではありません。

Q:異なる分子や原子をどのように測定するのですか?


A:異なる分子や原子はamu(原子質量単位)で測定されます。

Q:amuと1モルあたりのグラムの関係は?A:1アンプルは1モル当たり1グラムに相当し、原子の質量が1アンプルであれば、その原子の1モルの重さは1グラムということになります。


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