ネオトミナ亜科(Neotominae)とは:北米のシカネズミ・パックラット類の分類と分布
北米に広がるネオトミナ亜科の分類と分布を解説。シカネズミ・パックラットなど主要種の特徴と生態を詳述。
キク科の一亜科。正確には齧歯類に属する一群で、形態や生態が多様な小型〜中型のネズミ類を含む。外見は一般に細長い体、比較的長い尾、柔らかい毛皮を持ち、夜行性の種が多いが、昼行性の種も含まれる。
新世界ネズミの3つの部族、16の属、多くの種からなる。分布の中心は北米で、アラスカやカナダ南部からアメリカ合衆国大陸部、メキシコ、さらに一部は中央アメリカにまで及ぶ。よく知られている代表群としては、シカネズミ(Peromyscus属)、パックラット(Neotoma属)、バッタネズミ(Onychomys属)などがあり、いずれも地域ごとに多様な種を含む。
ネオトミネスは新世界の他の2つのネズミ亜科、SigmodontinaeとTylomyinaeに近縁である。多くの研究者は、これらをすべて単一の亜科であるSigmodontinaeに位置づけている。分子系統学的研究は、これらの系統が新世界で比較的古く分岐したことや、地域ごとの放散(種分化)の歴史を示しており、化石記録や遺伝子解析を併用した分類の改訂が続いている。
分類の概略
- 部族:3つの主要な部族に分けられる(詳細な分類は研究者によって差がある)。
- 属:16属(例:Peromyscus、Neotoma、Onychomys、Reithrodontomys、Baiomys など)。
- 種:多数の種を含み、地域固有種(固有種)も多い。
形態と生態的特徴
- 体長は種によって幅があり、数グラムの小型種からやや大型の種まである。
- 多くは夜行性で、鋭い嗅覚・聴覚を持ち、地上を活発に移動する。樹上性・地上性・洞穴性・岩陰性など多様な生息様式を示す。
- 巣作りを行う種が多く、特にパックラット(Neotoma)は「ミッド(巣)/宝物」を集める習性で知られる。
分布と生息環境
主に北米を中心に分布し、森林、草原、砂漠、山地、農耕地など非常に多様な環境に適応している。地域差が大きく、標高や気候に応じて局所的に特化した種も存在する。
生態系での役割と人間との関係
- 食物網において重要な小型哺乳類であり、肉食動物(猛禽類、コヨーテ、キツネ、ヘビなど)の重要な餌資源となる。
- 種子散布や土壌攪乱を通じて植生や土壌生態系に影響を与える。
- 一部の種は人家周辺に進出し、農作物や備蓄物への被害を与えることがある。
- 医学・生態学の研究対象として重要。例えばPeromyscus属の一部は寄生ダニやウイルスの宿主となり得るため、公衆衛生上の注目種でもある(ハンタウイルスの宿主となる例など)。
保全状況
多くの種は比較的普通で広い分布を持つが、生息地の破壊や分断、外来種との競合、気候変動により局所的に絶滅危惧種となっているものもある。保全対策には生息地の保護や形態・遺伝的多様性のモニタリングが重要である。
まとめると、ネオトミナ亜科は北米を中心に多様な形態・生態を示す重要な齧歯類群であり、分類学・系統学・生態学・公衆衛生の各分野で関心が高い。研究は進行中であり、分類の細部や種間関係については今後の分子解析やフィールド調査でさらに明らかになることが期待される。
分類
- ネオトミーア亜科
- バイマイニ族
- Baiomys - ピグミーマウス
- Scotinomys - ブラウンマウス
- ネオトミーニ族
- ネオトーマ - パックラット
- Xenomys - Magdalena Rat(マグダレナ・ラット
- Hodomys - Allen's Woodrat(アレン・ウッドラット
- ネルソニア
- オクロトミーニ族
- Ochrotomys - ゴールデンマウス
- ペロミスキネラルの仲間
- シカネズミ(Peromyscus) - Deer Mouse
- Reithrodontomys - ニューワールドハーベストマウス
- オニコマウス - バッタネズミ
- ネオトモドン - メキシコ火山ネズミ
- Podomys - フロリダマウス
- Isthmomys - Isthmus ラット
- メガドントミス - 巨大なシカネズミ
- ハブロミス
- Osgoodomys - Michoacan Deer Mouse(ミチョアカンヤチネズミ
関連ページ
- 新世界のラットとマウス
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