扁平球体(扁球)とは|地球や土星に見られる回転楕円体の定義と特徴

扁平球体(扁球)の定義と特徴をわかりやすく解説。地球・土星などの回転楕円体の形状変化と扁平化の仕組み、観測データを図解で紹介。

著者: Leandro Alegsa

扁平球(扁球)は、天体の形のうちよく見られる一つで、回転する球体が赤道方向に膨らみ、極方向が相対的に短くなることで生じます。たとえば地球をはじめとするいくつかの惑星は、このような形をしています。球を上から軽く押しつぶしたように見えるため、極から極への直径が赤道から赤道への直径より小さくなり、この形を一般に「楕円体(spheroid, ellipsoid)」と言います。

定義と基本式

回転対称を持つ楕円体で、赤道半径を a、極半径を b とすると、扁平さ(扁平率、flattening)は次の式で表されます:

f = (a − b) / a

この値が大きいほど赤道方向に扁平になっています。また、楕円の離心率 e は

e^2 = (a^2 − b^2) / a^2

で与えられます。回転による遠心力が重力と釣り合って水のように流体が静水圧平衡に達するとき、その解の一つが「マクラウリン扁球(Maclaurin spheroid)」です。

形成の仕組み

回転する天体では赤道付近で遠心力が働き、有効重力が小さくなるため物質が外側へ広がりやすくなります。十分に流体的(内部が流体または塑性を示す)であれば、重力と遠心力の釣り合いにより回転楕円体の形状になります。回転速度が速いほど遠心力の影響が強くなり、扁平率は大きくなります。

代表的な例と数値

  • 地球:赤道半径 a ≒ 6,378.137 km、極半径 b ≒ 6,356.752 km。差は約21.385 km、扁平率 f ≒ 1/298.257(約0.00335)で、言われる通り球体からのずれは小さく、約300分の1程度です。
  • 土星:ガス巨星の代表で、扁平率はかなり大きく f ≃ 0.098(約9.8%)とされています。自転が速く密度が比較的小さいため、赤道膨張が顕著です。
  • 木星:扁平率 f ≃ 0.0648 程度で、土星ほどではないが明瞭な扁平を示します。
  • 恒星(例:太陽):太陽の自転はおよそ赤道付近で秒速約2 kmと比較的遅く、そのため扁平率は非常に小さく、観測上はほとんど球に近いです。
  • の中でも特に回転の速いもの(若い星や回転の速い赤色巨星、ミリ秒周期のパルサーなど)は、かなりの扁平化を示すことがあります。中性子星のように半径が小さく、回転周期がミリ秒級に短い天体では、赤道での線速度が非常に大きく(場合によっては毎秒数千 km に達することもあり得る)、それが扁平化を強めます。ただし中性子星では高密度物質の剛性や一般相対性効果も重要になります。

測定方法と実用的意義

天体の扁平率や楕円体のパラメータは、人工衛星の軌道データ、レーザー測距、レーダー観測、衛星バースト態勢や高度計(altimetry)などの測定から高精度に求められます。地球の正確な形状(ジオイドや参照楕円体)は測位(GPSなど)、地図投影、海面上昇の評価や海流解析など多くの実用分野で基礎データになります。

その他の種類と注意点

回転によって長軸が伸びる場合は「伸長楕円体(prolate spheroid)」と呼ばれ、扁平球(oblate spheroid)とは逆の形になります。また、十分な自転速度があると単純な回転楕円体ではなく三軸楕円体やより複雑な非対称形状になることもあります。さらに剛体と流体では応答が異なり、内部構造や剛性、粘性、磁場、一般相対性の効果などが形状に影響を与えます。

まとめると、扁平球は回転による遠心力と重力の釣り合いで生じる回転楕円体であり、その程度は回転速度や内部構造によって決まります。地球や土星のような天体の形状理解は、天文学・地球科学・測位技術において重要な基礎事項です。

扁平球体の図Zoom
扁平球体の図

平坦化の起源

1687年、アイザック・ニュートンは『プリンキピア』を出版した。その中で、回転する自己重力流体体が平衡状態にあれば、回転楕円体(スフェロイド)の形になることを証明した。扁平化の度合いは、密度重力と遠心力のバランスによって決まる。

つまり、地球は回転しているから球状になっているのです。木星土星などのガス惑星は、地球よりも回転によって扁平になっています。

質問と回答

Q:扁平球状体とは何ですか?


A:扁球とは、球を上から押しつぶしたような形状で、極の円周が赤道の円周より小さくなっているものを指します。

Q: 地球や他の惑星の形はどのようなものですか?


A:地球や他の惑星の形は、扁球形です。

Q: 楕円体とは何ですか?


A:楕円体とは、上下に扁平な形をしているものです。

Q: 楕円球体の回転対称性はどのようなものですか?


A: 楕円球は、極から極への軸を中心とした回転対称性を持っています。

Q: 球体と地球の形はどう違うのですか?


A:球体と地球の形は300分の1程度と、ほとんど差がありません。

Q: 扁平球体の平坦さは何で決まるのですか?


A:回転速度で決まります。

Q: 太陽や中性子星の自転速度はどのくらいですか?


A: 太陽は毎秒2km、中性子星は毎秒数千kmの速度で回転しています。


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