ペンシルベニア・ターンパイクは、アメリカペンシルバニア州にあるペンシルバニア・ターンパイク委員会が運営する有料道路(有料の高規格幹線道路)です。州を横断しておよそ360マイル(約580 km)にわたり東西に走り、ピッツバーグ、ハリスバーグ、フィラデルフィアの各都市圏を結びます。道路はアパラチア山脈の山間部を通るため、長大なトンネルや高架橋が組み合わされた区間が多く、州内で重要な物流・通勤路線になっています。

路線と標識

ターンパイク本線は州間高速道路網の一部として以下のように標識されています:オハイオ州境からバレーフォージ(Valley Forge)付近までは州間高速道路I-76、ニュー スタントン(New Stanton)からブリーズウッド(Breezewood)まではI-70とI-76の重複区間、バレーフォージからブリストルタウンシップまではI-276、そしてブリストルタウンシップからニュージャージー州境のデラウェア川にかかるデラウェア川-ターンパイク料金所橋までが一連の路線です。ターンパイクはオハイオ州側のローレンス郡の州境でオハイオ・ターンパイクと接続します。

料金徴収システム(通行料)

ターンパイクの通行料金は区間距離や車種クラスに応じて算出される「チケット制(距離比例)」を基本としている区間と、固定料金を徴収する主本線料金所が混在します。典型的なチケット制区間では、ワレンデール(Warrendale)とネシャミニーフォールズ(Neshaminy Falls)の間などで高速道路に入る際に入場券を受け取り、出る際に券に基づいて支払います。

併せて、主要橋梁や一部のゲートウェイでは以下のような方式が使われています:

  • 主要な本線料金所(プラザ)での現金/クレジットカード徴収。
  • 一部区間・方向での「ナンバープレート撮影による請求(郵送請求)」:例としてデラウェア川橋の一部通行でカメラ撮影により後日請求書が郵送される方式が導入されています。
  • E‑ZPass:電子料金収受システムで、全ての料金所で利用可能です。E‑ZPass利用者は現金支払より割引が適用される場合があり、車載タグによる自動決済で通行がスムーズになります。

通行料金は出入口の組合せ、車両のクラス(乗用車、商用車、大型車)によって変化します。たとえば州境を越えて入る区間の通過で「約7ドル以上」といった一例がありますが、最新の正式料金や割引はペンシルベニア・ターンパイク委員会の公表情報で確認してください。

歴史と建設の経緯

ペンシルベニア・ターンパイクは1930年代に州の山間部を効率的に横断するために計画されました。建設にあたっては、19世紀に放棄された南ペンシルバニア鉄道(South Pennsylvania Railroad)用に掘られていたトンネル群(7本)を活用した区間があり、これが当初のルート決定に影響しました。ターンパイクはアーウィン(Irwin)とカーライル(Carlisle)の間で1940年10月1日に開通し、当時としては米国初の長距離アクセス制限付き高速道路(いわゆる長距離ターンパイク)として注目されました。

第二次世界大戦後に路線は延長され、1950年に東へバレーフォージまで、1951年に西へオハイオ州境まで開通しました。さらに1954年から東端をデラウェア川まで延伸する工事が進められ、デラウェア川にかかるターンパイク橋(Delaware River–Turnpike Toll Bridge)は1950年代半ばに完成して、ニュージャージー側の道路網(ニュージャージー・ターンパイクなど)へ接続しました。

トンネルと改良工事

アパラチア山脈を横断する区間には複数のトンネルがあり、建設当初は片側一車線の古いトンネルが使われていました。1960年代には交通容量の拡大と安全性向上のため、既存の2車線トンネルに対して別の管(チューブ)を掘削して二重化する工事や、周辺で新しい道路を建設してトンネルの回避を図る工事が行われました。以後もターンパイクの多くの区間で以下のような改良工事が継続しています:

  • 元の区間を現行の高速道路基準に再構築(路盤強化・視距改善など)。
  • 利用が集中する区間の6車線化や拡幅工事。
  • 新しいインターチェンジや接続路の追加、安全性の向上。
  • 料金所の近代化、電子料金収受(E‑ZPass)拡充、将来的なキャッシュレス化の導入検討。

運営と今後の課題

ペンシルベニア・ターンパイクはペンシルベニア・ターンパイク委員会(Pennsylvania Turnpike Commission;PTC)が維持管理を行っており、老朽化したインフラの更新、渋滞対策、橋梁・トンネルの安全確保、料金体系の透明化といった課題に取り組んでいます。また、物流需要の増大に対応するための拡幅・改良工事や、環境配慮型工法、電子決済への移行といった施策も進められています。

(注)本稿の説明は路線の概要、歴史、料金徴収方式、改良状況などを概説したものです。通行料金の最新情報や工事状況、通行規制については、ペンシルベニア・ターンパイク委員会の公式情報を参照してください。