パーマ(パーマネントウェーブ)とは?定義・発明者ネスラーと歴史

パーマ(パーマネントウェーブ)の定義から発明者カール・ネスラーの逸話とユニークな歴史をわかりやすく解説。発明経緯や初期の手法も紹介。

著者: Leandro Alegsa

一般的にパーマと呼ばれるパーマネントウェーブは、髪に化学処理を施してカールを出すことです。

1906年、ドイツの美容師カール・ネスラー(1872-1951)によって、初めて人に使えるカール用の化学トリートメントが発明された。彼は、牛の尿と水を混ぜたものを使いました。最初のデモンストレーションは1906年10月8日に行われたが、ネスラーは1896年からこのアイデアに取り組んでいた。それまでは、ウィッグのカールを作るために苛性ソーダでセットしていたが、人間の皮膚に使うには刺激が強すぎたのだ。

パーマの仕組み(化学的原理)

パーマは髪のタンパク質(主にケラチン)にあるジスルフィド結合(S–S結合)を一時的に切断し、髪をロッドやコームで所望の形に整えた後、結合を再形成して形状を固定します。一般的な工程は次のとおりです:

  • 還元剤(アルカリ性の薬剤やチオグリコレート類など)でジスルフィド結合を切る。
  • 髪をロッド等で巻いて物理的に形を作る。
  • 酸化剤(過酸化水素など)で再酸化し、結合を再形成してカールを固定する。

このため、薬剤の種類やpH、施術時間、温度によって仕上がり(カールの持続性や弾力、髪へのダメージ具合)が大きく変わります。

歴史と発展

ネスラーの初期装置は電気で温めるロッドを用いるもので、大掛かりかつ刺激の強い薬剤が使われました。その後、薬剤や機器は改良され、安全性と使いやすさが向上していきます。主な発展点は次のような流れです:

  • 加熱を伴う「ホットパーマ」から、化学反応のみでカールを作る「コールドパーマ(チオ系)」への移行。
  • 酸性パーマ、アルカリ性パーマなど薬剤の多様化により、ダメージの少ない手法が開発。
  • デジタルパーマやエアウェーブなど、温度制御や機械制御で緩やかなカールや柔らかい質感を実現する技術の登場。

主なパーマの種類

  • アルカリ(コールド)パーマ:短時間でしっかりしたカールが出る。太い髪やしっかりしたカールを希望する場合に向く。
  • 酸性パーマ:ダメージが少なく、弱酸性の髪質やカラー毛にも比較的安全。
  • デジタルパーマ:加温することでカールを形成し、温度によりウェーブの表情を調節できる。ゆるいウェーブや再現性の高いスタイルに適する。
  • ストレートパーマ(縮毛矯正):パーマとは逆の工程でクセを伸ばして直毛にする施術も化学的原理は類似している。

安全性と注意点

  • 薬剤は皮膚・目・呼吸器に刺激を与えることがあるため、施術は専門の美容師に依頼するのが基本です。パッチテストを行うサロンも多いです。
  • 過度な施術や繰り返しによるダメージで、髪の乾燥や切れ毛が起こることがあります。特にブリーチや強いカラーリングと組み合わせる場合は注意が必要です。
  • 施術後すぐのパーマ落ちを防ぐため、サロンで指示された期間(一般に24〜48時間)はシャンプーや強いヘアセットを避けることが推奨されます。

アフターケアのポイント

  • 保湿性の高いシャンプー・トリートメントでダメージを補修する。
  • 熱(ヘアアイロン・ドライヤー)の使用は控えめにし、使う場合は必ず耐熱保護剤を使用する。
  • 定期的なトリートメントで毛髪内部のタンパク質や油分を補うと、カールの持ちや髪の健康を保ちやすくなる。

まとめると、パーマ(パーマネントウェーブ)はネスラーらの初期の試みを起点に、化学と機器の進化によって多様化・安全化が進んだ技術です。目的や髪質に応じて薬剤や手法を選ぶこと、施術後の適切なケアが長持ちと髪の健康の両方に重要です。



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