プラン9・フロム・アウター・スペース」(1959年)は、SF映画です。監督・脚本はエド・ウッドで、低予算ながら独特の熱意と個性で知られています。主演はグレゴリー・ウォルコット、モナ・マッキノン、ライル・タルボット、トー・ジョンソン、マイラ・ヌルミ(ヴァンピラ)、そして予告編やナレーションでおなじみのクリスウェルなど。撮影中に亡くなった「老人」役のベラ・ルゴシについては、ルゴシの未使用映像や代役の後ろ姿などを編集して場面をつないでいます。

この映画は、宇宙を破壊する可能性のある武器人間が作るのを阻止しようとする宇宙人を描いた物語です。彼らが採る手段が「プラン9」と呼ばれるもので、地球の死者を生き返らせる計画である。復活した死者(いわゆるゾンビや亡霊)は町に混乱をもたらし、当初は軍や市民の混乱を招きます。物語は、軍と科学者、地元住民が事態の真相を探る過程と、エド・ウッドらしい素朴な恐怖演出で進みます。こうした出来事はやがて報道や噂を通して広がり、混乱が続く展開になります。

制作と特撮の特徴

本作は極端に低予算で撮影され、セットや小道具、特殊効果は手作り感にあふれています。空飛ぶ円盤には糸が見える場面や、墓地の看板が段ボール製に見えるなどの“粗さ”が有名です。ルゴシの降板に伴う編集や、別作品のストック映像の流用、人物の正面を避けて撮る代役処理など、制作上の苦肉の策がはっきりと作品に刻まれています。一方で、クリスウェルの予言めいたナレーションやヴァンピラのカメオ出演など、ユニークな魅力も随所に見られます。

初期の評価とカルト化

公開当初から批評家の評価は厳しく、技術的欠陥や台詞、演技の拙さが指摘されました。何年もの間、この映画はあまり注目されることなくテレビで放映されていた。1980年、作家のマイケル・メドベドとハリー・メドベドは、著書で『プラン9・フロム・アウタースペース』を「史上最悪の映画」と評し、死後のウッドにゴールデン・ターキー賞を与えて「史上最悪の監督」と位置づけました。

再評価と影響

しかし、その「ひどさ」ゆえに本作はカルト映画として再評価され、マニアや映画史家の間で愛されるようになります。多くの観客は、予算や技術の拙さをむしろ魅力と捉え、エド・ウッドの誠実さと映画への情熱を称賛します。1994年にティム・バートン監督がエド・ウッドの伝記映画『エド・ウッド』を制作し、ジョニー・デップがウッドを演じたことをきっかけに、さらに広く注目を浴びました。

今日の見どころ

プラン9・フロム・アウター・スペースは、映像技術や演出の面では決して「優れた」映画ではありませんが、1950年代のB級映画やポップカルチャー、映画作りに対するひたむきな愛情を理解するうえで重要な作品です。初見で笑って楽しむもよし、映画史の一例として研究するもよし、カルト映画の祭典や深夜の鑑賞に最適な一本と言えるでしょう。