棒高跳びとは?定義・歴史・ルール・オリンピック史を解説

棒高跳びの定義・起源から競技ルール、オリンピック史までをわかりやすく解説。技術・歴史・名選手を写真と図で学べる決定版ガイド。

著者: Leandro Alegsa

棒高跳びは、陸上競技の種目で、長くしなやかな棒(今日ではグラスファイバー製かカーボンファイバー製が多い)を補助として使い、バーを飛び越える競技である。棒高跳びの競技は、古代ギリシャクレタ人ケルト人にも知られていた。オリンピックでは、1896年の夏季オリンピックから男子、2000年の女子でメダル種目となっています。

定義と目的

棒高跳びは、選手が走り助走でポール(棒)を地面の「ボックス」に差し込み、その反発と回転を利用して上向きの運動エネルギーを得てバーを越える競技です。目的は、与えられた高さのバーを最も高く、かつ安全に越えることで、競技はクリアした高さの高さ順で順位が決まります。

用具・設備

  • ポール(棒):素材は主にグラスファイバーやカーボンファイバー。長さや硬さ(フレックス)が選手の体格・技術に合わせて使い分けられる。
  • ボックス:地面に埋められたポールを差し込む溝。正しい位置で植えることが重要。
  • バー(横棒):越える高さが設定される。バーを落とすとその試技は失敗となる。
  • マット(着地用クッション):選手の着地を安全に受け止める大きなフォームマット。

歴史の概略

棒高跳びは古代から存在が知られ、実用的な渡河や障害越えの技術が由来と考えられています。近代競技としては19世紀に技術と用具が発展し、国際的競技として普及しました。現代では用具(特に複合材のポール)の進化とともに記録が飛躍的に向上しました。

基本ルール

  • 試技回数:各選手は1つの高さにつき最大3回の試技権を持つ。3回とも失敗するとその選手は競技から除外される(その選手の最高到達高さが最終結果となる)。
  • パス:選手はある高さで試技を行わずに「パス」することができる。パスした高さに対する試技回数は消費されないが、連続した失敗は累積される。
  • 判定:バーが落ちた、規定のエリア外に落下した、あるいはボックスに不正な接触があった場合は失敗となる。バーに触れても落ちなければ成功。
  • 同記録の順位決定:同一高さを同じ回数でクリアした選手が複数いる場合、まずその高さでの失敗回数を比較し、さらに総失敗回数で比較して順位を決める。これでも決着がつかない場合はジャンオフ(追加競技)を行うことがある。
  • 増加幅:高さの増加幅は大会規定により決まる。大会序盤は大きめの増加、決勝は小刻みに設定されることが多い。

競技の流れと基本テクニック

  • 助走(アプローチ):選手は一定の助走距離(個人差あり)でスピードをつけ、正確にボックスに入ることを目指す。助走はステップ数やリズムが重要。
  • 植え付け(プラント)と踏切:ポールをボックスに差し込み、地面を強く蹴って上向きの力を得る。
  • スイング・引き上げ:体をポールを軸にして回転させ、脚を引き上げて重心を高くする。
  • 伸展と放出(リリース):ポールのしなりを戻す力を使ってさらに高く押し上げられたところで、バーを越える体勢に移行する。
  • フライ・着地:バーを越えた後は背中側でマットに安全に着地する。

安全と審判

着地マットやボックス周辺の整備、適切なポール選択、コーチングによる技術指導が安全確保には必須です。審判は助走の妨害、ポールの不正、バーの落下判定などを行い、公正な競技運営を行います。国際的なルールはWorld Athletics(国際陸上競技連盟)が定めています。

オリンピック史と世界的な記録

オリンピックでは男子は1896年から、女子は2000年シドニー大会から正式なメダル種目となりました。近年は器具・トレーニング・技術の発達により記録が大きく伸び、歴史的にセルゲイ・ブブカ(Sergey Bubka)イレーナ・イシンバエワ(Yelena Isinbayeva)などが種目の発展に重要な役割を果たしました。現代ではアルマン・デュプランティス(Mondo Duplantis)が男子の世界記録を塗り替え、種目を牽引しています。

用語解説(簡単)

  • プラント(plant):ポールをボックスに差し込む動作。
  • スイングアップ:助走後、脚を引いて体を持ち上げる動作。
  • ジャンオフ(jump-off):順位決定のための追加競技。

まとめ

棒高跳びは技術、スピード、力、そしてタイミングが一体となる高度な競技です。用具の進化や指導法の洗練により記録は継続的に更新されており、観戦しても技術の変化を見て取れる面白さがあります。初心者はまず助走と植え付け、着地の安全確保から練習を始めると良いでしょう。

棒高跳びの競技。Zoom
棒高跳びの競技。

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