プロスクリプションとは — 古代ローマ起源の追放・死刑宣告と財産没収

古代ローマ発祥の「プロスクリプション」を解説。追放・死刑宣告や財産没収の歴史と政治利用の背景を分かりやすく紹介。

著者: Leandro Alegsa

Proscriptionとは、「死刑または追放の宣告」(Oxford English Dictionary)である。

国家が認めた殺人や追放を指す場合もある。この用語は古代ローマに由来し、ある人物を国家の敵として公式に宣言することができた。この場合、財産の没収を伴うことが多い。

ローマ共和国での使用に加え、標準的な用語となった。以来、同様の政府・政治的行為を表す言葉として使われている。反対するイデオロギーを弾圧するために使われる。また、政治的なライバルや個人的な敵を排除するために使われる。



起源とローマでの実例

プロスクリプション(proscriptio)は古代ローマで制度的に行われた政治的制裁の一形態で、ある人物を「公敵(hostis)」として公式に指定し、法的保護を剥奪して追放・処刑・財産没収を可能にした。代表的な実例としては以下が挙げられる:

  • スッラ(Sulla)のプロスクリプション, 紀元前82年頃:内戦を制したスッラは政敵を排除するために多数の名前を記したプロスクリプション・リストを発し、これにより対象者は賞金付きの通告の対象となり、財産は没収された。多くの市民が殺害され、財産は支持者へ分配された。
  • 第二回三頭政治のプロスクリプション, 紀元前43年:オクタウィアヌス(後のアウグストゥス)、アントニウス、レピドゥスの三者もまたプロスクリプションを実施し、これにより多くの政治的ライバルや富裕層が粛清された。著名な被害者にキケロなどがいる。

手続きと効果

ローマのプロスクリプションは法廷での有罪判決という通常の手続きを経ない点が特徴で、政府や実力者の意思によって名簿が作られ、公開されることで効力を持った。主な効果は次のとおりである:

  • 対象者は法的保護を失い、誰でも殺害・逮捕して差し支えないとされた。
  • 財産は没収され、しばしば国家や支持者に配分された。
  • 家族や縁者にも社会的制裁が波及し、財産権や市民権の喪失が生じた例がある。
  • 政治的威圧手段として機能し、反対派の抑圧や勢力再配分に用いられた。

法的・道徳的問題点

プロスクリプションは形式的な法手続きを欠き、恣意的な粛清を合法化するため、法の支配や人権の観点から重大な問題をはらむ。以下がしばしば指摘される点である:

  • 正当な審理なしに死刑や財産没収が行われることによる冤罪・横領の危険。
  • 権力者による政治的私闘の道具化(個人的怨恨や利害関係による悪用)。
  • 社会的不安と暴力の助長、司法制度の信頼失墜。

近代への影響と用法

古代ローマのプロスクリプションは、その後の歴史でも類似の制度や行為を説明するための概念として引用されることが多い。近代以降では、正式な法制度としてより制度化された弾圧や、非常事態を口実にした政治的追放・没収の比喩として用いられる。学術的・政治的議論では以下のような使われ方がある:

  • 歴史研究における比喩的参照:独裁的な粛清や法外の処罰を説明する際に「プロスクリプション」の語が用いられる。
  • 政治批評や報道における比喩:反対派の排除や経済的制裁を非難する文脈で使われる。

まとめと注意点

Proscriptionは古代ローマ由来の「死刑または追放の宣告」を指す概念で、対象者を国家の敵として公式に名指しし、法的保護・財産権を剥奪する制度的手段であった。歴史的にはスッラや第二回三頭政治の例が有名であり、その本質は法を超えた政治的制裁である。現代では文字どおりの制度は稀だが、類似の政治的排除を説明・批判する際の重要な用語として残っている。



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