ロバート・カレッジ(Robert College、別名RCは、トルコのイスタンブールにあるアメリカの高校で、トルコで最も伝統と評価の高い私立学校の一つです。1863年(オスマン帝国時代)に、宣教師で教育者のサイラス・ハムリンが、実業家クリストファー・ラインランダー・ロバートの財政的支援を受けて設立しました。ロバート・カレッジは、アメリカ国外で設立された最初期のアメリカ系教育機関のひとつとされ、設立当初は帝国内のキリスト教少数派の男子教育機関(カレッジ)として出発しました。やがて女子教育の必要性に応え、女子部がアメリカン・カレッジ・フォー・ガールズとして開設され、さらにイスラム教徒の就学も認められるようになりました。フセイン・ペクタシュ(Hüseyin Pektaş)は、大学部を卒業した最初のムスリム学生の一人として知られています。19世紀には、同校の教育課程と施設は拡張され、中学・高校を含む複数の教育部門が発展しました。
1923年にトルコ共和国が成立した後も、ロバート・カレッジは共和国の知識人・指導者を輩出する重要な場であり続けました。英語を基盤にした教育とリベラルアーツ的な教育理念は、トルコの近代化や社会・文化の発展に影響を与え、多くの卒業生が政治、経済、学術、文化の各分野で中心的役割を果たしてきました。首相のビュレント・エセビットやタンス・チラーは、この学校の卒業生の一人です。校風は学問的厳格さと幅広い課外活動を重視し、科学・人文・芸術の教育がバランスよく行われています。
1971年、ロバート・カレッジは2つのキャンパスのうちボーイズ・キャンパス(通称ベベク・キャンパス)をトルコ共和国へ寄贈しました。この寄贈を基にして公立の高等教育機関が設立され、現在ではボアズィチ大学(Boğaziçi Üniversitesi)として知られる主要国立大学に発展しています。もう一つのキャンパス(女子キャンパス、通称アルナヴトコイキャンパス)は私立の高等学校として存続し、共学化の下で現在も高校教育を担っています。現代のロバート・カレッジは、国際性の高い教育、英語による授業、厳しい選抜と高い進学実績で知られ、国内外の大学へ多数の卒業生を送り出しています。校舎や図書館、寮、スポーツ施設など歴史的資産も多く、トルコの教育史における重要な遺産となっています。
このようにロバート・カレッジは、創立以来150年以上にわたり、トルコ社会に深い影響を与えてきました。現在も伝統と革新を両立させながら、国内外との学術交流や多様な課外活動を通じて次世代のリーダーを育成し続けています。