"Roll with It"は、ロックバンド、オアシスの代表曲の一つで、彼らの元リードギタリスト、ノエル・ギャラガーが作詞作曲を担当している。1995年8月14日にシングルとしてリリースされ、2ndアルバム『What's the Story) Morning Glory?』からの2ndシングル『として発表されると、全英シングルチャートで最高位2位を記録した。ソングライティングには、初期のビートルズの曲(特に「She Loves You」や「From Me to You」など)への明確な影響が見られ、シンプルで耳に残るメロディとストレートな歌詞が特徴である。
リリースと「ブリットポップの決戦」
"Roll with It"は当時のブリットポップのムーブメントの渦中でリリースされ、ライバルバンドであるBlurとの直接対決が世間の注目を集めた。Blurのレーベル(Food Records)は、自身のシングル"Country House"の発売日を"Roll with It"の発売日に合わせて移動させ、イギリスのメディアはこれを「The Battle of Britpop(ブリットポップの決戦)」と大々的に報じた。この対決はシングルのナンバーワンの座を巡るものとされ、最終的にBlurの「カントリー・ハウス」が約27.4万枚を売り上げて1位、オアシスの「ロール・ウィズ・イット」は約21.6万枚で2位となった。
楽曲の意図と評価
歌詞は「自分自身であること」の重要性をシンプルに説くもので、オアシスの他の楽曲(例えば初期のシングル「Supersonic」など)と共通する自己肯定的で反抗的なトーンがある。楽曲はギターを基調とした力強いロックサウンドで、サビのキャッチーさやストレートなフレーズがライブでの一体感を生みやすい構成になっている。
批評家の反応は分かれ、キャッチーさやアンセム性を評価する声がある一方で、影響元とされるビートルズや60年代ポップの要素を「既視感が強い」「派生的だ」と評する意見もあった。しかし「The Battle of Britpop」を象徴する曲として、その歴史的意味は大きい。
類似指摘と余談
一部のリスナーや批評では、この曲のメロディに別のバンドの楽曲との類似点が指摘されることがある。例えばThe Lemonheadsの曲「Purple Parallelogram」とメロディに共通点を見いだす意見があるが、明確な法的措置や公式な共作者表記の変更が行われたという公的な記録はない。
総じて「Roll with It」は、1990年代中盤のブリットポップ隆盛期を象徴する1曲であり、オアシスが世代の代表的バンドとして位置づけられる一助となった楽曲である。ライブ定番曲として中核的な役割を果たし、当時のカルチャーやメディア報道とあいまって、バンド史における重要なエピソードを刻んでいる。