地震学とは:観測原理・地震計・利用分野の基礎

地震学の基礎と観測原理をわかりやすく解説。地震計・観測手法から地殻調査や防災・資源探査まで実用例を網羅。

著者: Leandro Alegsa

地震学とは、地表や地下で発生する振動(地震波)を観測・解析することで、地球内部の構造や地震の発生メカニズムを明らかにする学問領域です。地震を観測している人を一般に地震学者と呼びます。地震学は、地球や他の惑星が形成された過程や内部構造を理解するための、物理学を基盤とする地球の物理科学の一分野です(物理学の科学の一部)。

観測原理

地震観測は、地面の微小な移動や加速度を電気信号に変換して記録することが基本です。地震計やジオホンなどのセンサーが地面の運動を検出し、その信号を増幅・デジタル化して解析します。観測には大きく分けて受動観測(自然に発生する地震や火山活動を「聞く」)と能動観測(人工的に振動を発生させて地下構造を探る)の二つの方法があります。

地震計の種類と仕組み

地震学で使われる代表的な装置には、ジオホン、ハイドロフォン、および各種の地震計があります。陸上で地面の速度や加速度を測るジオホンや地震計、海中で音波や水中圧力変化を測るハイドロフォンなどがあり、用途に応じて使い分けられます。

地震計には主に上下(鉛直)方向の振動を測るものと、東西・南北など水平方向の振動を測るものがあり、三方向(3成分)を同時に観測することで波の伝播方向や振幅を正確に求められます。多くの地震計では、磁石とワイヤのコイルを用いた電磁誘導方式(コイルとマスの相対運動から電圧を生じさせる)で速度を検出しますが、近年は力平衡型の加速度計や、広帯域で非常に低周波も検出できるブロードバンド地震計など多様なセンサーが採用されています。

地震波の種類と解析

地震波は主に体波(P波・S波)と表面波に分けられます。P波(縦波)は最初に到達する高速波で、S波(横波)はそれに続きます。P波とS波の到達時間差を複数の観測点で比較することで、震源の位置(震央・震源の深さ)を三角測量(トリアンギュレーション)により求めます。得られた記録(地震計の出力)は「地震計記録(シースモグラム)」と呼ばれ、周波数解析やフィルタ処理、逆問題を用いた速度構造の推定などが行われます。

地震計測の応用分野

  • 地震学的研究:地球内部の地殻・マントル構造やプレート境界の性質、地震発生の物理過程の解明。
  • 地震ハザード評価と防災:震源分布や過去の地震履歴に基づく地震動予測、耐震設計基準の作成、緊急地震速報(EEW)システム。
  • 資源探査:産業界では地震波の反射・屈折法を用いて地下の地層や油田・ガス田の探査が行われます(地震探査)。
  • 火山監視:地震活動の変化からマグマ移動や噴火前兆を検知し、火山の内部構造や活動予測に役立てられます。
  • 核実験監視:地下核実験は地震波として検出されるため、地震観測網は国際的な検核や監視(例:CTBTの監視)に利用されます。多くの地震観測所はこの目的でも重要です。
  • 海洋・津波観測:海底地震計やハイドロフォン、DARTブイなどを使って津波の早期検出・監視を行います。

計測とデータ処理

現代の地震観測網は自動化・デジタル化が進み、リアルタイムでデータが中央の解析システムに送られます。データはノイズ除去、帯域フィルタ、スペクトル解析、時刻同期(高精度なGPS時刻)などの処理を経て、震源決定、マグニチュード算出、波形同定などに用いられます。地震の大きさは従来のリヒター震度(局所)から、より物理的意味を持つモーメントマグニチュード(Mw)に移行しています。また、震度(人々が感じる揺れの強さ)とマグニチュード(地震のエネルギー規模)は異なる指標です。

歴史と技術の発展

地震計の歴史は古く、最初期の記録としては古代の観測機器が知られています。最も初期の地震計の一つは東洋で発展し、例えば古代中国の観測器具が有名です(中国で開発されたものに言及されます)。近代に入ってからは電磁式や光学式、電子加速度計、ブロードバンド地震計といった高感度・高安定な計測器が発達し、全球規模の観測ネットワークと結びついて地球全体をモニタリングできるようになりました。

実務上の注意点と今後の課題

地震観測には高精度な時刻同期、長期安定性、雑音の低減(都市雑音や気象ノイズの影響)など技術的な課題があります。また、詳細な地下構造や断層の挙動を解明するためには、観測点の密度を高めること、データ解析手法(逆問題・機械学習など)の高度化、観測装置の小型化・低コスト化が重要です。さらに、観測結果を防災や都市計画にどう活かすかという社会的課題も存在します。

総じて、地震学は単に地震を「検出する」だけでなく、地球の内部を探り、災害を減らし、資源や環境の理解に貢献する幅広い応用を持つ学問です。観測機器や解析技術の進展により、今後も重要性が増す分野です。

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質問と回答

Q: 地震学とは何ですか?


A: 地震学とは、地表の振動を測定することによって、地表の下にあるものを研究する学問です。

Q:地震学を研究している人は誰と呼ばれていますか?


A:地震学を研究している人を地震学者と呼びます。

Q:地球物理学とは何ですか?


A: 地球物理学とは、地球や他の惑星が形成される過程の物理学に関する科学的研究です。

Q:地震学ではどのような装置を使って振動を拾うのですか?


A: 地震学者や地球物理学者は、ジオフォン、ハイドロフォン、地震計などの装置を使って振動を拾います。

Q: 2種類の地震探知器とは何ですか?


A:上下方向の振動を測定するものと、左右方向の振動を測定するものがあります。

Q:地震計の目的は何ですか?


A: 地震計の目的は、振動を電気信号に変換し、コンピュータに保存して解析することです。

Q: 地震学にはどのような用途がありますか?


A: 地震の発生場所の特定、地下核実験の探知、地震探査による地殻の調査、油田やガス田の発見、火山の内部構造の解明などが考えられます。


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