バーナードループとは?オリオン座の約1,600光年に及ぶ巨大輝線星雲

バーナードループ:地球から約1,600光年、半円弧約300光年に及ぶオリオン座の巨大輝線星雲。赤く輝く水素ガスと馬頭・オリオン星雲との関係を解説。

著者: Leandro Alegsa

バーナードループは、オリオン座にある輝線星雲で、地球から約1,600光年の距離にあります。オリオン複合星雲群の一部で、約300光年にわたる大きな半円弧を描いています。ループの内部近傍には、中心付近にあるオリオン星雲(M42)や、馬の首星雲などの有名な散光星雲が含まれます。バーナードループは、高温のガスでできており、その主な赤い色は、水素Hα(エイチアルファ)放射によるものです。

特徴

  • 大きさ:空に対して非常に大きな角度を占め、半径に相当する部分で数度(視直径にして10度前後)に及びます。実際の長さは約300光年ほどと推定されています。
  • 色とスペクトル:赤い輝きは主にHα線(波長約656.3 nm)の放射で、電離された水素ガスが再結合して光を放つことで生じます。
  • 位置関係:オリオン大星雲や馬の首星雲など、オリオン複合体に含まれるさまざまな星形成領域を包むように広がっています。

発見と起源

エドワード・エマーソン・バーナードが19世紀末(1890年代)に写真で捉えたのが名前の由来です。ループの起源については完全には解明されていませんが、現在はオリオンOB協会に属する若く高温の大質量星からの強い紫外線放射や恒星風、過去の超新星爆発などが組み合わさってガスを電離・加熱し、現在の大きな弧状構造を作り上げたと考えられています。形成にかかった時間は数百万年規模と推定されますが、詳細は研究が続いています。

観測と撮影

  • 肉眼では非常に淡く見づらく、通常の条件下ではほとんど判別できません。広視野での長時間露光写真や、Hαなどの狭帯域フィルターを用いた撮影で明瞭に捉えられます。
  • アマチュア天文家による広角撮影や、専門の天文台によるHα観測で多くのディテールが明らかになり、星形成や超新星の影響などを調べる手がかりとなっています。

バーナードループは、オリオン領域全体のダイナミクスや星形成史を理解するうえで重要な天体です。巨大な電離ガスの分布や形状は、周囲の大質量星や過去の爆発的事象の影響を反映しており、現在も活発に研究が続けられています。

バーナード・ループZoom
バーナード・ループ

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質問と回答

Q: バーナード・ループとは何ですか?


A: オリオン座にある輝線星雲です。

Q: バーナード環は地球からどのくらい離れているのですか?


A: バーナード環は地球から約1600光年の距離にあります。

Q: オリオン群とは何ですか?


A: オリオン座にある星雲・星団です。

Q: バーナード・ループの大きさは?


A: バーナード・ループは、約300光年にわたる半円弧です。

Q: バーナード環の中心にある二つの星雲は何ですか?


A: バーナード環の中心にある二つの星雲は、オリオン星雲と馬頭星雲です。

Q: バーナード環は何でできているのですか?


A: プラズマでできています。

Q:バーナード・ループの主に赤い色は何ですか?


A: 主に赤い色は水素ガスによるものです。


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