シットスキー(モノスキー・バイスキー)とは?パラスポーツ用具の解説
Sit-skiは、下肢麻痺、二分脊椎、筋ジストロフィー、脳性麻痺のスキーヤーが使用するソリです。伝統的にはグラスファイバー製のシート(バケットシート)を骨格に取り付けた構造が多く、ユーザーの体をしっかり固定して雪面の力を受け止められるようになっています。初期のシットスキーは、カヤックのような外観で、金属製のエッジが付いていましたが、現在は素材や構造が進化し、より軽量で耐久性のある設計が一般的です。
シットスキーの種類
シットスキーは競技や障がいの程度に応じて形状が分かれます。代表的な分類は以下の通りです。
- モノスキー(モノ・スキー):スキー板が1本のタイプ。高速での安定性とレスポンスが高く、主にパラアルペンスキーで用いられます。立って滑る人と同じ感覚に近い操作が可能で、ターン時は体重移動でエッジを使います。
- バイスキー(ビスキー):スキー板が2本(左右)あるタイプで、モノスキーよりも安定性が高く、体幹コントロールが難しい人や初学者に向いています。歴史的にはパラアルペンスキーでモノスキーが主流になる前に広く使われていました。
- パラノルディックスキー用シットスキー:クロスカントリー(ノルディック)向けには、長めのスキーを用いたシットスキーがあり、滑走距離と滑走効率を重視した設計になっています。場合によっては通常のスキーポール(ただし立位より短め)を使うこともあります。
構造と装備
近年のシットスキーはフレーム(アルミやカーボンを併用することが多い)にバケットシートを取り付け、シートには取り外し可能なクッションやベルト、サイドサポートが付いていることが一般的です。サスペンションやショックアブソーバーを備えたモデルもあり、衝撃吸収性を高めて快適性と操作性を向上させます。
シットスキーのユーザーはアウトリガースキーを使用します。アウトリガーは短いポールの先端に小さなスキーが付いた器具で、ブレーキやバランス補助、方向付けに使います。パラノルディックスキーでは、立って滑る人ほど長くない普通のスキーポールを使うこともあります。
操作方法と基本テクニック
モノスキーではエッジングによるターン、体重移動、上体の傾け(カウンターローテーション)で方向を変えます。アウトリガーはターンの補助、速度コントロール、停止時の補助として重要です。バイスキーは左右のスキーを独立して使えるため、安定したプラウや基本のターン練習に適しています。
シットスキーは上体と腕の動きで主に操作するため、上半身の筋力やコントロールが大きく影響します。体幹が不安定な場合は、シートのサポートを強化したり補助具を使って姿勢を安定させます。
競技での利用と分類
シットスキーはパラアルペンスキーやパラノルディックスキーの主要な用具で、国際大会やパラリンピックでも採用されています。競技では選手の障がいの程度に応じた分類(座位クラスなど)に基づき公平に競技が行われます。パラアルペンスキーでは以前はバイスキーが広く使われていましたが、技術の発展とともにモノスキーが主流になっています。
安全・メンテナンス・適合
- 安全対策:ヘルメット、プロテクター、バックプロテクターの着用が推奨されます。シートベルトやサイドサポートを適切に装着することで転倒時のケガを減らせます。
- メンテナンス:スキー板のエッジ点検、ビンディング・取付ボルトの増し締め、シートやフレームの亀裂確認、サスペンションの点検を定期的に行ってください。
- フィッティング:選手の体形や障がいの状態に合わせてシートをカスタムメイドすることが多く、専門のリペアショップやテックによるフィッティングが重要です。
練習と指導
スキーヤーがスキーを習い始めたばかりの頃は、スキーヤーが自分でシットスキーをコントロールできるようになるまで、先生がテザーで繋がれていることがあります。インストラクターによる段階的な指導(安全な姿勢、ブレーキ操作、ターン練習など)と、適切な用具選びが上達の近道です。
まとめると、シットスキーは障がいのあるスキーヤーに自由で競技性の高い滑走体験を提供するための専用装備であり、用途や障がいの程度に応じてモノスキーやバイスキー、各種の装備が選ばれます。適切なフィッティング、安全対策、継続的なメンテナンスと指導が快適で安全な滑走の鍵となります。


シットスキー
質問と回答
Q: シットスキーとは何ですか?
A: シットスキーはパラノルディックスキーやパラアルペンスキーで、下半身麻痺、二分脊椎、筋ジストロフィー、脳性麻痺などの障害を持つスキーヤーが使用するグラスファイバー製のそりです。
Q:初期のシットスキーはどのような形で、何でできていたのですか?
A: 初期のシットスキーはカヤックのような形をしており、グラスファイバー製で縁は金属でできていました。
Q:シットスキーの2つの種類と違いは何ですか?
A:シットスキーにはモノスキーとバイスキーがあります。モノスキーにはスキー板が1枚あり、バイスキーには2枚あります。スキーヤーはモノスキーを使う前にパラアルペンスキーでバイスキーを使ったのが最初です。
Q: モノスキーの仕組みは?
A: モノスキーでは、立って滑るのと同じように坂を滑り降りることができます。シットスキーはアウトリガースキーを使用します。
Q: パラノルディックスキーでは、シットスキーはどのようなスキーポールを使うのですか?
A: パラノルディックスキーでは、立って滑る人が使うような長さのない普通のスキーポールを使うことができます。
Q: 初めてシットスキーを使うときはどうなりますか?
A: スキーヤーが初めてシットスキーを使ってスキーを習うときは、スキーヤーが自分でシットスキーをコントロールできるようになるまで、教師がテザーでスキーヤーとつながっている場合があります。
Q: 一般的にシットスキーを使うのはどんな人ですか?
A: シットスキーは通常、下半身麻痺、二分脊椎、筋ジストロフィー、脳性麻痺などの障害を持つスキーヤーが使用します。