スリランガム島(ティルチラパリ)— カーヴェリ川の聖地・世界最大級のヒンドゥー寺院

スリランガム(ティルチラパリ)—カーヴェリ川に浮かぶ108のDivya Desamsの聖地。世界最大級のヒンドゥー寺院と周辺名所を歴史と写真で紹介。

著者: Leandro Alegsa

スリランガムは、カーヴェリ川に浮かぶ島で、インド、タミル・ナードゥ州のティルチラパリ市の一部です。ここには「スリ・ランガナータ(Sri Ranganathaswamy)」を主神とする巨大な寺院があり、ヒンドゥー教の108のDivya Desams(聖地)の一つとして、ヴァイシュナヴァ派の巡礼地として特に知られています。主祭神ランガナータ(横たわるヴィシュヌ像)は、アーディシェーシャ(蛇神)の上に横たわる姿で祀られており、聖なる信仰と長い宗教史を伝えています。

スリランガムは、カヴェリ川とその支流コリダム川が隔てる島となっており、島全体にわたって寺院群が広がっています。スリランガムは、周囲4km、面積631000m2の世界最大のヒンドゥー教寺院といえます。(面積631,000 m²は約63.1ヘクタール、約156エーカーに相当します。)島と寺院は古代から中世にかけて複数の王朝(チョーラ朝、パーンディヤ朝、ヴィジャヤナガル王朝、ナーヤク朝など)の支援で拡張され、現在の壮大な境内が形作られました。

歴史と宗教的意義

スリランガムの寺院は、古代からの信仰の中心地であり、特にスリ・ヴァイシャナヴァ(Sri Vaishnava)伝統において重要な位置を占めます。中世には多くの聖者や学者がここで教えを説き、叙事詩や宗教儀礼が育まれました。著名な宗教指導者ラーマーヌジャ(Ramanuja)との結びつきも強く、寺院には多くの宗教的慣習や儀礼が今も受け継がれています。

建築と見どころ

寺院複合は数多くの礼拝堂(mandapa)、附属の小祠、聖池(tank)、彫刻で飾られた門(ゴープラム)などから構成され、何重にも囲まれた回廊(プラカラム/prakarams)が特徴です。外観で特に目を引くのは巨大なゴープラム(門塔)で、中心のラージャゴプラムは目を見張る規模を誇ります。境内には細密な石彫や宗教行事用の広場、参拝者のための歩行路が整備されており、建築・美術上の見どころが多くあります。

祭礼と行事

年間を通じて多数の祭礼が行われますが、特に有名なのは「ヴァイクンタ・エーカーダシ(Vaikunta Ekadasi)」で、全国から多数の参拝者が訪れます。他にもパンガニ・ウッティラム(Panguni Uthiram)やブラフモッツァヴァム(Brahmotsavam)などの大規模な祭りが行われ、聖地としての活気が一年を通して続きます。日常的には朝晩の礼拝(プージャ)が執り行われ、参拝の際は寺院の規則(服装、靴を脱ぐこと、礼拝の順序など)を守る必要があります。

アクセスと周辺の見どころ

スリランガムはティルチラパリ(トリチー/Trichy)の市域内にあり、同市には空港と鉄道駅があるため交通の便は良好です。島へは橋や道路でアクセスでき、ティルチラパリ中心部から短時間で到着します。周辺には、歴史的な岩山上の寺院であるロックフォート寺院、治癒祈願で知られるサマヤプラム・マリアンマン寺院、ムルガン信仰の中心地であるヴァヤルール・ムルガン寺院など、多くの参拝地や観光スポットがあります。

参拝の実用情報

  • 訪問時期:気候の穏やかな10月〜2月が観光しやすいですが、祭礼期は混雑します。
  • 服装・マナー:寺院内は神聖な場です。肩や膝を覆う服装が望ましく、靴は入口で脱ぎます。
  • 写真撮影:境内の一部で制限がある場合があるため、表示や係員の指示に従ってください。
  • 滞在時間:主要な礼拝堂を回るには数時間を見込むとよく、ゆっくり参拝するのが勧められます。

スリランガムは単なる観光地ではなく、現在も信仰が生き続ける巨大な寺院複合体です。歴史・建築・宗教の三点で深い魅力があり、インド南部の宗教文化を知る上で重要な場所と言えます。



参考

1.      "Sri Ranganathar Swamy Templeへようこそ". srirangam.org.





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