セント・パンクラス駅:ロンドンのビクトリア朝建築とユーロスター玄関口
セント・パンクラス駅のビクトリア朝建築と復元の歴史、ユーロスター国際ターミナルとしての魅力やショップ&交通拠点としての活気を紹介。
セント・パンクラス駅は、2007年からセント・パンクラス・インターナショナルとしても知られており、ビクトリア朝様式の建築物で有名なロンドン中心部の終着駅です。19世紀の産業革命期に建てられた代表的な駅舎で、外観にはゴシック・リヴァイバルの装飾が施されたホテル棟や、当時としては技術的に画期的だった大規模な列車小屋(トレインシェッド)が特徴です。
歴史と建築
グレード1に指定されているこの建物は、大英図書館、キングス・クロス駅、リージェント運河の間のユーストン・ロードに建っています。駅の列車小屋は、エンジニアのウィリアム・ヘンリー・バーロウ(William Henry Barlow)が設計した大スパンのアーチ構造で、開業当時(1868年)には世界最大級のシングルスパン屋根でした。ホテル棟は建築家ジョージ・ギルバート・スコット(George Gilbert Scott)による壮麗な外観で、かつてはミッドランド鉄道の「ミッドランド・グランド・ホテル」として知られていました。
運命と再生
1868年にミッドランド鉄道が南端のターミナルとして開業した。その後、LMS:ロンドン・ミッドランド・スコットランド鉄道となり、20世紀半ば以降は衰退と取り壊し計画が持ち上がりましたが、1960年代に計画された取り壊しを免れ、保存を求める運動が起きました。詩人サー・ジョン・ベトジェマン(Sir John Betjeman)らの活動もあり、建物の保存と再活用が進められました。
2000年代には大規模な改修・拡張が行われ、約8億ポンドの投資で駅舎と周辺施設が復元・再整備されました。駅舎とホテルは細部まで修復され、歴史的要素を残しつつ現代の鉄道施設としての機能が大幅に向上しています。
ユーロスターと高速鉄道への対応
再開発では、安全なターミナルエリアが高速1号線とチャンネルトンネルを利用したヨーロッパ大陸行きのユーロスターサービスのために建設されました。2007年にユーロスターのロンドン側発着駅がウォータールーからセント・パンクラスに移り、以降、パリやブリュッセル、アムステルダムなどとの国際列車が発着しています。国内線用のプラットフォームも整備され、イングランド北部や南東部への接続が充実しました。
施設と接続
復元された駅には、キングスクロス・セントパンクラス駅からのロンドン地下鉄サービスに加えて、15のプラットフォーム、ショッピングセンター、バスターミナルがあります。駅舎内外には飲食店やショップが集まり、通勤・観光の両方で利用しやすい設備が整っています。セントパンクラス駅は、ロンドン鉄道とコンチネンタル鉄道が所有しており、キングス・クロス・セントラルとして知られる隣接する都市再生エリアにも隣接しています。
見どころと訪問アドバイス
駅を訪れる際の主な見どころは以下の通りです:
- ヴィクトリア朝の装飾が残るホテル外観とエントランス。
- 広大なアーチ型のトレインシェッド(屋根構造)のスケール感。
- 駅構内の商業空間やマーケット、カフェでの休憩。
- 保存運動を象徴する詩人サー・ジョン・ベトジェマンの銅像(駅構内付近)。
旅行者は国際線利用時にパスポートコントロールやセキュリティに余裕を持って到着すること、混雑する時間帯(朝夕の通勤ラッシュや週末)は余裕を見て行動することをおすすめします。地下鉄やバス、タクシーなど公共交通機関との接続が良いため、市内各地への移動は便利です。
セント・パンクラスは単なる交通結節点を越え、ロンドンの歴史的建築と現代的利便性が融合した場所として、多くの旅行者や建築愛好家にとって必見のスポットになっています。
セントパンクラス駅のザ・アーケードの上層階、バーロウの立派な屋根の下で南を見たところ。古い列車小屋の屋根は再塗装され、再塗装されています。
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