ロンドン地下鉄(London Underground)は、イギリス・ロンドンにある電気鉄道の広域交通システムです。世界で最も古い地下鉄道で、1863年にメトロポリタン鉄道として最初に運行を開始しました。開業当初は蒸気機関車が使われ、その後19世紀末から20世紀初頭にかけて電化と路線拡張が進みました。地下と呼ばれますが、路線の多くは地上区間も含み、全体の約半分が地上を走ります。俗に「Tube」と呼ばれるのは、深い地下に掘られた円筒形のトンネル(チューブ)が特徴の路線群に由来します。
起源と歴史の概要
ロンドン地下鉄の最初の路線であるメトロポリタン鉄道は、都市の混雑を解消する目的で作られました。初期は「カット&カバー」と呼ばれる浅い掘削工法でトンネルが造られ、蒸気機関車で運行されていました。その後、より深い地下に小径の円筒形トンネルを掘る「ディープレベル」工法で作られた路線(いわゆるチューブ)が登場し、これらは電気で走ることが前提でした。20世紀に入って複数の私鉄や市営路線が統合され、路線網は現在の形へと発展しました。
路線・駅数・距離
ロンドン地下鉄は現在、主要な路線が複数(一般に11路線と数えられることが多い)で構成され、駅数はおおよそ270駅前後、線路総延長は約400km(408kmを超えると表記されることもあります)です。路線には、深いトンネルを走るチューブ(例:ピカデリー線、ノーザン線など)と、比較的浅いトンネルや地上区間を含むサブサーフェス(例:サークル線、ディストリクト線、メトロポリタン線など)があり、車両の形状やトンネル断面が異なります。
運賃と利用方法
運賃体系は中心部を示すゾーン1から郊外までのゾーン9までに分かれており、乗車するゾーンや時間帯で料金が変わります。使い勝手向上のために、事前にチャージして使う「Oysterカード」や、クレジット/デビットカードのコンタクトレス決済が広く利用されています。夜間運行(Night Tube)は一部路線で週末を中心に導入されており、深夜の移動手段として便利です。
利用状況・特徴
- 乗客数は年度や外的要因(例:パンデミックなど)で変動しますが、2006–2007年には10億人以上が利用した記録があります。近年は増減があるため、最新の年次データを確認してください。
- 駅ごとの乗降数には大きな差があり、ウォータールー(Waterloo)などの主要ターミナル駅は非常に混雑します。
- バリアフリー化は進められているものの、歴史的構造や地下深さの関係でエレベーターやスロープが設置されていない駅も多く、段階的な改善計画が続いています。
- 路線網は市内中心部は地下、郊外では地上や高架になるため、景色が楽しめる区間もあります。
名称の違いと用語
世界の他都市では地下鉄を「メトロ(Metro)」や「サブウェイ(Subway)」と呼ぶことが多いですが、イギリス国内でも用語は地域によって異なります。例えば、メトロはタイン・アンド・ウェア・メトロ(北東イングランド)などで使われ、サブウェイはスコットランドや北米の路線名として使われることがあります。また、英国内ではSubwayが「地下の歩行者通路」を指すこともあるため、文脈に注意が必要です。
最後に:利用のコツ
初めて利用する場合は、目的地の最寄り駅と出口番号、乗り換え路線を事前に調べておくとスムーズです。ラッシュアワーは非常に混雑するため、時間に余裕を持った移動や、混雑しにくい時間帯の利用をおすすめします。また、最新の運行情報や工事による運休・遅延情報は公式サイトやアプリで確認してください。




