大英図書館(BL)は、イギリスの国立図書館で、ロンドンのセント・パンクラス地区、ユーストン・ロード北側に位置します。ユーストン駅とセント・パンクラス駅の間にあり、研究者・一般来館者の双方に向けた閲覧・展示・公開プログラムを行う公的な機関です。組織としては1973年に設立され、現在の近代的な本館は1998年にセント・パンクラスに開館しました。
所蔵点数と資料の種類
大英図書館の蔵書は非常に多様で、現在およそ1億5,000万点以上(約1.5億点)、そのうち書籍は約2,500万冊に達するとされています。毎年約300万点前後の資料が新たに加えられ、図書館全体の書架の長さは約625km(388マイル)にもなります。
所蔵資料の種類は広範で、例として次のようなものがあります:
- 書籍(印刷本、学術書、単行本など)
- 古写本・手稿(中世写本、作家・科学者の草稿など)
- 雑誌・新聞・定期刊行物
- 地図・図面・版画
- 音声・映像資料、録音物
- 楽譜、特許文献、データベース
- 切手・ポスターなどの図像資料
主な所蔵品と「至宝」
大英図書館は多くの稀覯本や重要文化資料を所蔵しています。代表的な所蔵品には、
- マグナ・カルタ(1215年)
- リンディスファーンの福音書(Lindisfarne Gospels)
- ゲーテンベルク聖書の写し
- ベーオウルフ写本などの古英文学資料
- シェイクスピアの資料やファースト・フォリオの写し
- 著名な科学者・作家の手稿(例:ダーウィンやチョーサー等の原稿類)
これらは展示や特別公開、オンライン画像公開などを通じて広く紹介されています。
法的地位と収集方針
大英図書館は英国の法制度により、国内で出版される出版物を受領する権利(法定寄贈=legal deposit)を持ち、また英国で販売される外国籍の出版物の多くを取得します。さらに世界各地の重要資料を購入・寄贈により収集しており、研究に資する一国際的なコレクションを維持しています。
歴史の概要
大英図書館の起源は、18世紀の英国議会図書館などにさかのぼります。制度的には1973年の設立以降、英国の国立図書館として独自の運営を行ってきました。長年は英国博物館付属の図書館が中心でしたが、蔵書の増加に伴い専用の施設が必要とされ、1998年に現在のセント・パンクラス本館が竣工・開館しました。
組織の長については、例えばLynne Brindleyは2000年から2012年まで最高責任者(Chief Executive)を務め、その後はRoly Keatingが後任として運営を引き継いでいます。
利用方法とサービス
大英図書館は一般来館者向けの展示スペースやイベントを多数開催するとともに、研究者向けの閲覧室を提供しています。一次資料を閲覧するには、事前登録によるリーダーズ・パス(Reader Pass)が必要で、通常は写真付き身分証明書と研究目的の申請が求められます。一部の資料はデジタル化や保存状況のため利用制限がありますが、事前のリクエストで閲覧が可能です。
また、コピーサービス・複写申請、学術相談、教育プログラム、公開講演や展示会なども定期的に行われています。一部サービスには有料のものもありますが、多くの展示やオンライン資料は無料で公開されています。
デジタル化とオンライン公開
近年は大規模なデジタル化プロジェクトを進め、貴重書や地図、手稿類の高解像度画像をオンラインで公開しています。蔵書検索は館のオンラインカタログ(Explore the British Library)で可能であり、デジタルコレクションやテーマ別の解説(例:文学・歴史・音楽)も充実しています。研究者や一般利用者は遠隔で資料の一部を閲覧・活用できるようになっています。
まとめ
大英図書館は、規模・歴史・資料の多様性のいずれにおいても世界有数の研究図書館であり、学術研究や文化保存、一般向けの教育普及に重要な役割を果たしています。現地来館だけでなく、オンラインでのアクセスやデジタル資料の充実により、国際的に幅広い利用が可能です。


