スウェーデン統計局(SCB)とは|歴史・組織・公開統計の概要

スウェーデン統計局(SCB)の歴史・組織・公開統計の概要をわかりやすく解説。役割やデータ利用法、公開資料へのアクセスも紹介。

著者: Leandro Alegsa

スウェーデン統計局Swedish: Statistiska centralbyrån, SCB)は、スウェーデンの公式統計を作成するスウェーデン政府の機関である。スウェーデンの国家統計の起源は古く、1686年にスウェーデン国教会が人口に関する記録を取り始めたことに遡る。その後、1749年に Office of Tables (Tabellverket) が設立され、現在の名称である SCB は1858年に定着した。

歴史の概要

スウェーデンでは早くから人口や経済の記録が重視され、教会記録を基礎にした統計作成の伝統がある。18世紀後半のTabellverket設立以降、19世紀にかけて統計作成の制度化が進み、1858年に現在の組織名に改められた。以降、産業化や行政の拡大にあわせて業務範囲が拡張され、20世紀後半からは行政記録(レジスター)を活用した統計手法が発展した。

組織と役割

  • 任務:人口、雇用、物価、国民経済(国民所得・GDP)、企業・産業、教育・保健・環境など幅広い分野の公式統計を作成・公表する。
  • 独立性と法的基盤:政府機関として法令に基づき統計を作成するが、統計の信頼性・中立性を確保するために科学的・方法論的な独立性を重視している。
  • 組織構成:中央の管理部門に加え、統計の生産部門(人口・社会統計、経済統計など)、方法論・調査設計、IT・データ管理、広報・公開を担当する部門などで構成される。長には一般に Director General(局長)が就く。

主な公開統計と情報提供

SCBは多様な統計を定期的に公表しており、代表的な分野は次のとおりである。

  • 人口・世帯(出生・死亡・移動、人口推計)
  • 労働市場(失業率、就業者数、労働時間)
  • 国民経済(国民所得、産出、輸出入、各種経済指標)
  • 物価(消費者物価指数 CPI など)
  • 企業統計・産業構造
  • 教育・保健・福祉・環境統計

データはSCBの公式ウェブサイトで公開され、統計表・時系列データ、解説レポート、メタデータ(用語・算出方法)などが提供される。多くの統計はスウェーデン語と英語で利用可能で、機械可読な形式やAPIを通じたアクセスも用意されている。

方法論:レジスターと調査の併用

スウェーデンは長年にわたり行政レジスター(人口登録、税務、社会保障記録等)を中心にした統計作成を進めており、これにより正確でコスト効率の高い日常的な統計生産が可能になっている。一方で、特定のテーマや詳細な社会指標についてはサンプル調査や専用調査を実施し、レジスターと組み合わせて総合的な統計を作る。

データ利用とアクセス、機微情報の取扱い

  • 大多数の統計データは一般公開され、ダウンロードやAPIによる取得が可能である。
  • 個人が識別されうるマイクロデータは、研究目的でのアクセスや公開に際して厳格な機密保護規定が適用され、匿名化・仮想化などの処理が行われる。
  • 利用者向けには解説ドキュメント、メタデータ、計算例などが提供され、再利用や二次分析がしやすいよう配慮されている。

国際連携と学術活動

SCBはEU(Eurostat)や国連統計委員会、OECDなど国際機関との協力の下、国際比較可能な統計を作成している。また、統計学や制度設計に関する研究・方法論の発展にも寄与しており、統計に関する学術誌や報告書の刊行・寄稿を行っている。Journal of Official Statisticsの刊行にも関わり、政策決定や学術研究の両面で情報発信を続けている。

所在地・人員

SCBの主要事務所はストックホルムとエーレブローにあり、業務の多くはこれらの拠点で行われている。2008年時点で約1,400名の従業員を擁していたが、組織規模や人員構成は時期によって変動する。

利用上の注意

SCBの統計は政策立案、学術研究、企業活動など幅広く利用されているが、データを利用する際は各統計の定義・算出方法(メタデータ)を確認することが重要である。また、最新の公表スケジュールや改定情報にも注意する必要がある。

関連情報や最新の統計はSCB公式サイトで確認できる。公開形式やAPI、利用条件については公式案内に従って利用することを推奨する。



百科事典を検索する
AlegsaOnline.com - 2020 / 2025 - License CC3