ジョン・ジェームズ・オーデュボン『アメリカの鳥』:1827–1838年刊の手彩色実物大図版集
ジョン・ジェームズ・オーデュボンの傑作『アメリカの鳥』—1827–1838年刊の手彩色実物大図版集。精緻な鳥類画と博物学的価値を詳述する必携書。
アメリカの鳥」は、博物学者で画家のジョン・ジェームズ・オーデュボンが著した本です。アメリカのさまざまな鳥の図版が収録されている。1827年から1838年にかけて、エジンバラとロンドンで出版された。
本書の正式な英語タイトルは The Birds of America(ザ・バーズ・オブ・アメリカ)で、オーデュボンが北アメリカ各地を旅して観察・採集した鳥類を、ほぼ実物大に描いた大型図譜です。作品は約39×26インチ(約99×66cm)の「ダブル・エレファント・フォリオ」と呼ばれる大判で刷られ、合計で435枚の手彩色図版が含まれています。図版には同一プレートに複数種が描かれることもあり、結果として約500種前後の鳥類が扱われているとされています。
制作と技法
図版はオーデュボンの水彩画をもとに、ロバート・ハヴェル父子(Robert Havell Sr. & Jr.)らによって銅版(エッチングとアクアチント)で彫られ、紙に刷られた後、職人によって一枚ずつ手彩色されました。巨大な用紙と精緻な彫技、さらに個々の手彩色が組み合わさることで、非常に写実的かつダイナミックな表現が実現されています。オーデュボンは標本を撃ち落として羽や形を調査し、針金などで姿勢を固定して自然なポーズを再現したことでも知られます。
特徴と主な図版
- 実物大描写:多くの種が実物大で描かれ、観察者が実際の大きさを直感的に理解できる。
- 劇的な構図:単に標本を並べるのではなく、つがいや捕食の場面など動きを伴う構図が多い。
- 絶滅した種の記録:旅客ハト(Passenger Pigeon)やラブラドールダック、カロライナオウムなど、現在は絶滅または激減した種の重要な資料となっている。
- 代表的な図版:カロライナオウム(カロライナインコとも表記される)、旅客ハト、ラブラドールダック、オオウミガラス(Great Auk)、エスキモーシャクシギ、ライチョウなど、多岐にわたる種が描かれている。
受容と影響
刊行当時から美術・博物学の両面で高く評価され、図譜としての正確さだけでなく芸術作品としての価値も認められました。後の鳥類学や自然史図譜に強い影響を与え、博物画の到達点の一つとされています。限定的な分冊方式と当時の製作コストのため、原本は少数のみが制作され、今日では図版・写本ともにコレクターや図書館、美術館で高い評価を受けています。
現存本と復刻
原本の完全なセットは現存数が限られており、公的機関や私的コレクションで大切に保存されています。19世紀以降、各種の復刻版や縮刷版、近年では高品質なファクシミリ版も制作されており、学術研究や教育、一般向け鑑賞用途に広く利用されています。
オーデュボンの『アメリカの鳥』は、科学的観察と美的表現を融合させた作品として、現在でも鳥類研究・自然史美術の重要な資源であり続けています。

The Birds of America』より 「Mourning Dove」の図解。
質問と回答
Q:『アメリカの鳥』の著者は誰ですか?
A: 『アメリカの鳥』の著者はジョン・ジェームズ・オーデュボンです。
Q: この本には何が収録されていますか?
A: アメリカの様々な鳥のイラストが収録されています。
Q: 『アメリカの鳥』が最初に出版されたのはいつですか?
A: The Birds of Americaは1827年から1838年にかけて出版されました。
Q: アメリカの鳥はどの都市で出版されましたか?
A: The Birds of Americaはエディンバラとロンドンで出版されました。
Q: 『アメリカの鳥』の挿絵の形式は?
A: 『The Birds of America』の挿絵は、約39×26インチ(99×66cm)の版画を原寸大で手彩色したものです。
Q: 『アメリカの鳥』には絶滅した鳥も登場しますか?
A: はい、『The Birds of America』には現在絶滅した6羽の鳥の写真が掲載されています。
Q: なぜ『アメリカの鳥』は重要なのですか?
A: The Birds of Americaが重要なのは、現在絶滅してしまったものも含め、アメリカのさまざまな鳥のイラストが掲載されているからです。また、エングレーヴィング版から作られた、手彩色の実物大の版画も特筆すべきものです。
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