アメリカ合衆国憲法修正第27条(修正第27条)は、アメリカ合衆国議会の議員に支払われる給与に関係しています。
修正第27条の内容
修正第27条は要点として、議会が議員の給与を変更する法律を定めても、その変更は直ちには効力を持たず、まず下院(下院)の新しい任期が始まるまで効力を生じないと規定します。つまり、議員自身が在任中に自分たちの給与を即座に引き上げることを防ぎ、有権者が次の下院選挙で判断する機会を残す仕組みです。上院議員の任期は6年、下院議員の任期は2年であり、特に下院の「1回の選挙が介在するまで」という文言が重要です。
歴史的背景と批准までの経緯
修正第27条は、1789年に第1回アメリカ合衆国議会が提案した12の修正案の一部として各州に送付されました(原提案のうち10件は1791年に批准されて「権利章典(Bill of Rights)」となった)。当時提案された残りの修正案のうち、議員給与に関する条項が後に修正第27条として知られるようになりました。
この修正には当初、議会側が批准期限を設けていなかったため、長期間にわたって「保留」状態にありました。20世紀以降、多くの憲法修正案では批准期限が付されるようになりましたが、1789年提案分にはそのような期限がなく、結果として数世紀後に再び批准手続きが進む余地が残されていました。
1980年代以降、テキサス大学の学生であったグレゴリー・ワトソン(Gregory Watson)が、既存の未批准修正案が今でも有効に批准され得ることを主張して運動を起こしました。彼の活動を契機に複数の州が相次いで批准を行い、1992年5月7日に必要な数の州が批准して、ついに修正第27条は正式に憲法の一部となりました。提出から正式批准までに要した期間は、1789年9月25日から1992年5月7日までの「202年7か月12日」とされ、アメリカ史上最長の経過期間でした。
意義と現代への影響
- 議員給与の即時変更を制約することで、利益相反を軽減し、有権者による政治的監視の役割を強化します。
- 修正第27条の長期にわたる批准過程は、憲法修正の手続きが時間を超えて働くことを示す例であり、議会が批准期限を設定するか否かの重要性を浮き彫りにしました。
- 学生や市民の働きかけが実際の憲法改廃に影響を与え得るという点で、市民参加の象徴的な事例とされています。
このように、修正第27条は内容自体は簡潔ながら、批准までの経緯とその後の意味合いにおいて米国憲法史上特異な位置を占めています。
