バレンシア大聖堂(メトロポリタンバシリカ)歴史と建築様式 聖杯の礼拝堂

バレンシア大聖堂(メトロポリタンバシリカ大聖堂)は、聖マリアに捧げられた教会で、古代からの宗教・建築史が重層的に残る重要な文化財です。市内中心部に位置し、歴史的景観の核となる建築物として、宗教的儀式だけでなく観光や美術保存の面でも大きな役割を果たしています。

歴史

この教会は、1238年にバレンシアの初代司教ペレ・ダルバラットによって創建されました。かつてのモスクの跡地に建てられ、そのモスクはさらに以前にあった西ゴシック様式の大聖堂の上に立っていたと伝えられています。以来、13世紀以降何世紀にもわたって増改築が繰り返され、都市の政治・宗教の変遷とともに形を変えてきました。

建築様式

ゴシック建築の地中海版がこの大聖堂の主たる様式ですが、ひとつの時代に固まらない複合的な造形を示します。内部や礼拝堂には、ロマネスクの遺構や、フランス・ゴシックの影響を受けた要素、さらにはルネサンス美術、バロック、新古典主義の装飾が折り重なっています。これにより、外観・内部ともに異なる時代の様式が調和し、訪れる者に多様な美的体験を与えます。

特徴的なランドマークとしては、鐘楼「エル・ミゲレット(Miguelete)」が挙げられます。これは14〜15世紀にかけて建設された八角形の塔で、らせん状の階段を登ればバレンシア市街の眺望が得られます。また、主祭壇や合唱席、各礼拝堂に配された石彫や木彫の装飾は時代ごとの工芸技術を示しています。

聖杯の礼拝堂(サント・カリス 礼拝堂)

世界中に広がる聖杯と謳われた聖杯がいくつかあります。そのうちの一つは、大聖堂の礼拝堂に保管されています。いくつかのキリスト教の歴史家は、チャペルにあるものは、最も可能性の高い最後の晩餐で使用された本物のカップであると主張しています。

この聖杯は、多くの教皇公式に使用していたもので、最近では2006年7月9日にベネディクト16世が使用しました。杯の本体は古代の瑪瑙(めのう)製の器とされ、その外装は中世以降に金銀細工で覆われ保存・装飾が施されています。研究者の間では、杯の器部分は1世紀に作られたものですという説が広く紹介されています。現在の所蔵は1436年にアルフォンス・エル・マグナニム王によって大聖堂に献上されたという記録に基づいています。

所蔵美術と文化財

大聖堂は宗教遺産としてだけでなく、美術作品の宝庫でもあります。イベリア半島で最も古く、また質の高いクアトロチェントの絵画の例がいくつか含まれており、これらはバレンシア出身の教皇、教皇アレクサンダー6世の依頼でローマからもたらされたものと伝えられます。アレクサンダー6世(ロドリーゴ・ボルジア)は、彼がまだ枢機卿であった時に、バレンシアを大司教の座にするように要求し、1492年に教皇イノセント8世の許可を得た経緯があります。

また、主祭壇や多数の礼拝堂にはルネサンス期以降の祭壇画、フレスコ、彫刻、織物などが所蔵され、カテドラル付属の美術館(カテドラル・ミュージアム)ではこれらを体系的に見ることができます。聖具や典礼用具、古文書も豊富で、宗教史や美術史の研究対象としても重要です。

見学について(概略)

大聖堂は現在も信仰の場として使用されており、一般公開部分やミュージアムとして公開されている部分があります。礼拝や行事の時間帯は見学に制限があるため、訪問前にスケジュールを確認することをおすすめします。エル・ミゲレットの塔へは階段で登るため、体力や安全面に留意のうえ見学してください。

西側の眺め(聖母の広場)。使徒門、チンボリ、オブラ・ノヴァZoom
西側の眺め(聖母の広場)。使徒門、チンボリ、オブラ・ノヴァ

質問と回答

Q:バレンシアの大聖堂は何に捧げられているのですか?


A: バレンシアの大聖堂は、聖マリアに捧げられています。

Q: 教会はいつ作られたのですか?


A: 1238年、バレンシアの初代司教ペレ・ダルバラによって建設が開始されました。

Q: この大聖堂はどこと入れ替わったのですか?


A: この大聖堂は、かつて西ゴート時代の大聖堂があった場所に建設されたモスクの代わりに建てられました。

Q: どのような建築様式なのですか?


A: この大聖堂の主な様式は、ゴシック建築の地中海バージョンですが、ロマネスク、フレンチゴシック、ルネサンス芸術、バロック、新古典主義の要素も含まれています。

Q:礼拝堂には聖杯と謳われる聖杯があるのですか?


A: はい、大聖堂の礼拝堂のひとつに、聖杯と主張する聖杯があります。この聖杯は1世紀に作られたもので、本物である可能性が高いと複数のキリスト教史家が主張しています。

Q: この聖杯は誰が大聖堂に寄贈したのですか?



A: 1436年、アルフォンス・エル・マグナニム王がこの聖杯を大聖堂に寄贈しました。

Q: 教皇アレクサンドル6世はどのようにしてバレンシアを大司教座にしたのですか?


A: 教皇アレクサンドル6世は、まだ枢機卿だった頃にバレンシアを大司教座にするよう要請し、1492年に教皇イノセント8世によってその要請が認められました。

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