この選挙は、ジョージ・H・W・ブッシュ副大統領(共和党)とマイケル・デュカキス・マサチューセッツ州知事(民主党)の間で争われました。ブッシュはロナルド・レーガン政権下で副大統領を務めた後継候補として、好調な経済状況や冷戦終結に向けた国際情勢の安定、レーガンの支持基盤に支えられて選挙戦を進めました。対するデュカキスは州政府での行政手腕を強調したものの、全国規模の選挙戦での対応やイメージ戦略で苦戦する場面が多く、ブッシュ陣営の攻撃的な広告やメディア戦術に効果的に反撃できない場面がありました。その結果、人気投票ではブッシュが約53.4%を獲得して大差で勝利し、選挙区(選挙人)でも地滑り的な勝利を収めました。以降、ブッシュがこの選挙で得た選挙人票や人気投票の割合に匹敵する、あるいはそれを上回る候補者は現れていません。
ジョージ・H・W・ブッシュ副大統領は、426選挙人票を獲得して当選しました。マサチューセッツ州知事のマイケル・デュカキスは111選挙人票を獲得しました。ロイド・ベンツェン氏は、ウェストバージニア州の忠実な選挙人によって1選挙人票を獲得しました。
選挙の背景
1988年の大統領選は、レーガン政権の後継を選ぶ意味合いが強く、経済の安定(低インフレ・比較的高成長)や冷戦下の外交問題が主要な文脈でした。ブッシュは副大統領として「経験」と「安定」を訴え、デュカキスは州知事としての技術的な統治能力や行政改革を前面に出しました。民主党内では他にも候補者がいたものの、デュカキスが指名を取って本選に進出しました。
主な争点と選挙戦術
- 経済政策:景気や税制、福祉政策が争点。ブッシュは「継続と安定」を訴え、デュカキスは政府の効率化や社会政策を主張しました。
- 犯罪と安全:ブッシュ陣営は、刑事政策や治安問題をめぐる攻撃的な広告でデュカキスを批判しました。特に「Willie Horton」に関連する犯罪宣伝は論争を呼び、選挙戦の重要な要素となりました。
- イメージとメディア:デュカキスの支持率低下には、選挙キャンペーンでのいくつかの戦術的ミス(例:戦車に乗る写真の演出が逆効果になったことなど)や、ブッシュ側のネガティブ広告への対応不足が影響しました。
- 副大統領候補同士の討論:副大統領候補の討論では、デュカキスの選んだ副大統領候補(ロイド・ベンツェン)がブッシュの副大統領候補ダン・クエイルを批判する場面が注目され、クエイルに対する疑問が一時的に取りざたされました(ベンツェンの「Senator, you're no Jack Kennedy.」という有名な返しは、討論のハイライトになりました)。
選挙結果の詳細
最終結果は次のとおりです(概数を含む)。
- 選挙人票:ジョージ・H・W・ブッシュ 426、マイケル・デュカキス 111、ロイド・ベンツェン 1(忠実でない選挙人による投票による)
- 人気投票(国民投票):ジョージ・H・W・ブッシュ 約53.4%、マイケル・デュカキス 約45.6%(いずれも四捨五入の表示)
ブッシュは中西部、南部、西部の多くの州で幅広く勝利し、デュカキスは主に東北部の拠点を中心に勝利しました。選挙人団の配分と州ごとの勝敗により、ブッシュの勝利は大差となりました。
影響と評価
1988年の選挙は、ネガティブキャンペーンとメディア戦術の効果を示した選挙として政治学や選挙研究でしばしば取り上げられます。ブッシュの勝利はレーガン時代の路線の継承を意味し、冷戦終結の過程や1990年代初頭の外交政策に影響を与えました。一方で、デュカキス陣営の戦略的弱点や、選挙戦でのイメージ管理の重要性が浮き彫りになりました。
総じて、1988年の大統領選は現代的なネガティブ広告戦術とメディア対応の重要性を示した選挙であり、その結果はアメリカ政治における選挙戦術の変化に影響を与え続けています。












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