52 エウロパ 小惑星概要 直径289km・1858年発見 ゴールドシュミット・C型・自転・軌道

52 エウロパは小惑星である。直径は約289 kmで、1858年2月4日に天文学者のゴールドシュミットによって発見された。名はギリシャ神話に登場するゼウスの征服者の(原文の表記を踏まえつつ、神話ではゼウスに関わる人物として知られる)エウロパにちなんで名づけられた。小惑星としては体積で7番目、質量で6番目(セレス、ベスタ、パラス、ハイギア、インテラムニアに次ぐ)に大きく、メインベルト全体の質量の約2%弱を占める。

軌道と大きさ

エウロパはメインベルトの外側寄りを公転しており、軌道長半径はおよそ3.1 天文単位前後で、傾斜角や離心率は中程度の値を持つ。軌道要素は同じく外側近傍に位置する小惑星ヒギアに近く、軌道形状が類似しているものの、系統的に同一の小惑星族(ファミリー)には属していない。

物理的性質と表面組成

エウロパは非常に暗い炭素質のC型小惑星であり、この型の中では4番目に大きい。反射率(アルベド)は低く暗い表面を示し、赤外分光や可視分光の観測から、表面に水和鉱物や有機物に加えて、カンラン石(オリビン)や輝石が見つかっている。これらは母天体の熱的・化学的進化や衝突履歴に関する手がかりを与える。

サイズと形状は光度曲線解析、赤外観測(IRASやWISEなど)および掩蔽観測により評価されており、概ねほぼ球形に近い大型天体であることが示唆されているが、詳細な凹凸や局所的な地形は未解明の部分が多い。

自転と極の向き

エウロパのライトカーブ(光度曲線)データは解釈が難しく、長年にわたり自転周期が議論されてきた。過去には約5.5時間説と約11時間説が混在していたが、現在では順行回転(自転方向が公転方向と同じ向き)をしていることが確かめられている。最も詳細な解析では、黄道座標での自転軸(天体の極)の候補として (β, λ) = (70°, 55°) または (40°, 255°) のいずれかが示され、いずれも約±10°の不確かさを伴うと報告されている[2]。これらの解に基づく軸方向の傾き(歳差や季節の見かけ上の傾き)はそれぞれおよそ14°または54°となる。

観測史とその他の話題

  • 分光学的・赤外観測や掩蔽観測によりエウロパのサイズや表面組成の手がかりが得られているが、局所的地形や正確な密度・内部構造の解明にはさらなる観測が必要である。
  • 1934年に報告されたCV Aquariiという天体は、後に52 Europaの誤認であったことが判明している[6]

まとめると、52 エウロパは大きく暗いC型小惑星で、メインベルト全体の質量に対して無視できない割合を占める重要な天体である。表面にはカンラン石や輝石などの鉱物が検出されており、自転や極の向きについてはいくつかの候補解があるものの、完全には確定していない。今後の高精度観測や掩蔽データの蓄積により、内部構造や表面の詳細がさらに明らかになると期待される。

[2] 詳細解析による極位置の報告。
[6] CV Aquarii の誤認に関する歴史的指摘。
[8] 過去の自転周期に関する議論に関連する文献。

質問と回答

Q:「52エウロパ」とは何ですか?


A:52エウロパは小惑星です。

Q:大きさはどのくらいですか?


A:直径289kmです。

Q: 誰が発見したのですか?


A: 1858年2月4日、H. Goldschmidtによって発見されました。

Q: その名前は何に由来するのですか?


A: ギリシャ神話に登場するゼウスが征服したエウロパにちなんでいます。

Q: 小惑星の中で大きさは何位か?


A:体積では第7位、質量では第6位です(セレス、ベスタ、パラス、ヒギア、インターアムニアに次ぐ)。

Q: どのような小惑星なのですか?


A: 非常に暗い炭素質のC型です。

Q:自転周期はどうなっているのですか?


A:エウロパは順行性回転体であることが判明していますが、その極の向きはまだ不明です。

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