ヨウ化ビスマス(III)(BiI3)
ビスマスの無機二元ハロゲン化物であるBiI3は、暗色の結晶性化合物で、層状構造、限られた水への溶解性をもち、無機合成や材料研究で用いられます。
概要
ヨウ化ビスマス(III)(一般に BiI3 と表記)は、ビスマスとヨウ素からなる二元の無機塩です。暗色の結晶として現れ、ビスマスが+3酸化状態にある、ビスマスの代表的な単純ヨウ化物の一つです。基本的な分類については 化合物 を参照してください。
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4 画像組成と構造
この化合物は、ビスマス陽イオンとヨウ化物陰イオンから成ります。固体 BiI3 では、各ビスマス原子がヨウ化物配位子により、おおむね6配位の歪んだ八面体環境に置かれ、つながった多面体が層状に並ぶ構造をつくります。これらの層は比較的弱い力で積み重なって相互作用するため、劈開や表面特性に影響します。関係する元素の背景については ビスマス と ヨウ化物 の項目を参照してください。
物理的・化学的性質
- 外観:暗灰色から黒色の結晶性固体。
- 溶解性:水にはわずかにしか溶けず、過剰のヨウ化物を含む溶液では可溶な錯陰イオンを形成して溶解することがあります。
- 化学的挙動:三価ヨウ化物として安定ですが、特定の条件下ではゆっくり加水分解し、酸化還元反応や配位子交換反応によって他のビスマス種へ変化することがあります。イオン に関する注記も参照してください。
調製と歴史
BiI3 は通常、元素ビスマスとヨウ素を直接反応させて作るか、ビスマス(III)塩の溶液にヨウ化物を加えて沈殿させることで得られます。古典的な無機化学では、重金属ハロゲン化物のわかりやすい例として長く知られており、さらにビスマスを含む化合物を合成する際の出発原料として用いられます。
用途と意義
BiI3 は大量消費される工業薬品ではありませんが、酸化ビスマス、硫化ビスマス、および関連材料の合成前駆体として使われます。また、層状の半導体様構造をもつことから、オプトエレクトロニクスや検出器への応用を目指した研究でも検討されています。ヨウ化物配位子に対する挙動は、配位化学やハロゲン化物錯体形成の研究にも役立ちます。
安全性と区別
多くの重金属化合物と同様に、BiI3 の取り扱いには注意が必要です。刺激性があり、吸入や摂取は避けるべきです。また、有機ビスマスヨウ化物や、より低い酸化数をもつビスマスヨウ化物種とは区別されます。安定な無機ヨウ化物におけるビスマスの酸化状態としては、+3 が圧倒的に一般的です(酸化状態 の解説も参照)。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com ヨウ化ビスマス(III)(BiI3) Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/11807