ジェームズ・N・マティス(マッドドッグ)—退役米海兵隊将官・第26代米国防長官

ジェームズ・N・マティス(マッドドッグ)の経歴と指揮、中央軍司令官や第26代国防長官としての功績と退任の経緯を詳解

著者: Leandro Alegsa

James Norman "Mad Dog" Mattis、1950年9月8日生まれ)は、アメリカ合衆国海兵隊の退役将官であり、第26代アメリカ合衆国国防長官であった。2017年1月20日、アメリカ合衆国上院はマティスの国防長官への指名を98対1の賛成多数で承認した。2010年8月11日から2013年3月22日まで第11代アメリカ合衆国中央軍司令官を務めたのが最後である。

経歴の概略

マティスは冷静かつ厳格な指揮官として長年にわたり海兵隊で要職を歴任した。現場指揮官としての経験だけでなく、戦略や歴史への造詣が深く、部下からは戦術・戦略両面で信頼される人物として知られている。湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争の各局面で指揮を執った経験があり、陸海空を横断する統合運用の理解にも定評がある。

中央軍司令官(CENTCOM)として

2010年から2013年にかけて、第11代アメリカ合衆国中央軍司令官を務め、中東地域における統合作戦の運用と同盟国・パートナーとの協力関係の維持に注力した。現場における指揮と同時に、情報・外交面での調整を重視し、複雑な地域情勢の中で部隊の即応性と抑止力を高める努力を続けた。

国防長官就任と在任中の方針

2017年1月に第26代国防長官に指名・承認されて以降、国防政策では同盟関係の重要性を繰り返し強調した。軍の組織改革や戦力整備、近代化に取り組む一方で、外交・同盟と軍事の連携による抑止の必要性を訴えた。公的には政治家というよりは職業軍人としての立場から、現実的・実践的な安全保障観を示すことが多かった。

辞任と退任の経緯

2018年12月20日、マティスはトランプ政権の対外政策や同盟国に対する扱いに関する見解の相違を理由に、2019年2月28日付で辞任する意向を表明した。しかしトランプ大統領は辞表を受け取り、マティスの在任期間を当初の予定より短縮して年内に退任させることを発表した。これによりマティスは2018年末に国防長官職を離れ、政権内での重要な意見の相違が公に注目される形となった。

人物像と評価

  • ニックネーム:「Mad Dog(マッドドッグ)」の愛称で知られるが、これは彼の果断さと強い指導力に由来するもので、粗暴さを意味するものではないと説明されることが多い。
  • 思想・姿勢:軍事史や戦略に精通し、部隊への厳格な規律と同時に将兵の保護を重視する指揮スタイルが評価されてきた。また、同盟関係の維持や連携の重要性を強調する姿勢は、外交と軍事の両面で影響力を持った。
  • 批判と論争:強硬な発言や独特の語り口が注目されることがあり、対外発言や政策上の判断をめぐって議論を呼ぶこともあった。

退役後の活動と影響

国防長官退任後も、マティスの発言や政策観は米国の安全保障議論に影響を与え続けている。軍事や同盟に関する意見表明、講演、執筆などを通じて、公的議論に関わることがある。また、現役時代の経験を踏まえ、国際安全保障や防衛政策に関する識見が参照される場面が多い。

補足

ここで記載した内容は要約であり、マティスの軍歴や政策の詳細には多数の事実関係が含まれる。興味がある読者は公式資料や歴史的記録、一次資料を参照して詳細を確認されることを勧める。

幼少期

マティスは1950年9月8日、ワシントン州プルマンで生まれた。ワシントン州リッチランドで育つ。1971年、セントラル・ワシントン大学で歴史学の学士号を取得。



軍歴

マティスはCOIN戦略を遂行することで知られている。2010年8月11日にオバマ大統領がペトレイアス将軍の後任に任命するまでは、2007年11月9日から2010年8月まで米国統合軍司令部を指揮し、同時に2007年11月9日から2009年9月8日までNATO最高連合司令官トランスフォーメーションも務めている。それ以前は、イラク戦争で1海兵遠征軍、米国海兵隊中央司令部、第1海兵師団を指揮した。



アメリカ合衆国国防長官(2017年~2018年)

2016年12月1日、ドナルド・トランプ次期大統領は、マティス氏を次期政権における米国国防長官に指名することを発表した。米国上院で98対1の賛成多数で承認された。同日、マイク・ペンス副大統領によって宣誓された。

2017年4月5日、マティスはカーン・シェイクンの化学兵器攻撃を「凶悪な行為」と呼び、それ相応の扱いを受けると発言した。4月10日、マティスはシリア政府に対し、化学兵器を再び使用しないよう警告した。

マティス氏は、イエメンのシーア派反体制派に対するサウジアラビア主導の軍事作戦を支持する声を上げている。サウジアラビアへの米軍支援に関する制限を撤廃するようトランプ氏に求めた。

マティスは、ISISの敗北後も米国はシリアに残り、彼らが再集結しないようにすると主張していた。しかし、トランプは12月19日に米国のシリア撤退を発表。翌日、マティスはトランプに再考を促す説得に失敗し、辞表を提出した。マティスは辞表の中で、中国やロシアの権威主義的な支配を批判する一方で、同盟国を尊重しないトランプを批判した。この書簡を受け、トランプはマティスが退任する予定より2カ月近く早い1月1日にマティスの解雇を命じた。



私生活

マティスは生涯独身で、結婚したことがなく、子供もいない。その独身生活と戦争学への生涯の傾倒から、「戦士の僧侶」というニックネームがつけられている。





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