ピーター・キャリー:ブッカー賞2回受賞のオーストラリア小説家と代表作
ピーター・キャリー:ブッカー賞2回受賞のオーストラリア小説家。『オスカーとルシンダ』『The True History of the Kelly Gang』など代表作と受賞歴を解説。
ピーター・キャリー(1943年生まれ)は、オーストラリアの小説家で、2つのブッカー賞を含む多くの賞を受賞しています。1988年に『オスカーとルシンダ』でブッカー賞を初受賞。2001年に『The True History of the Kelly Gang』で再び受賞した。この賞を2度受賞した作家は他に1人だけである。
オスカーとルシンダ』は、ラルフ・ファインズ主演で映画化された。ケリー・ギャングの真実の歴史は、オーストラリアのブッシュレンジャー、ネッド・ケリーの物語であり、ネッドの有名なジェリルデリー・レターのスタイルで書かれています。
上の要約が示すように、キャリーは国際的に評価されるオーストラリア文学の代表的作家です。彼の作品は歴史や神話、アイデンティティ、社会の周縁にいる人物への関心を特徴とし、しばしば独特の語り口とユーモア、言葉遊びを伴います。複数の作品で歴史的事実や文体を大胆に取り入れ、フィクションと現実の境界を曖昧にする手法を用いています。
代表作とテーマ
- 『オスカーとルシンダ』(1988年ブッカー賞受賞)— 19世紀の宗教観や運命、偶然と信仰を巡る物語。1997年にギリアン・アームストロング監督、ラルフ・ファインズとケイト・ブランシェット主演で映画化され、国際的な注目を集めました。
- 『The True History of the Kelly Gang』(2001年ブッカー賞受賞)— 19世紀の実在の無法者ネッド・ケリーを主人公に、ケリー自身の語り(ジェリルデリー・レター風)で再構成した歴史小説。形式的には手紙・日記風の一人称で綴られ、言語と文体で登場人物の声を生き生きと再現しています。
- その他の重要作としては、Bliss、Illywhacker、Jack Maggs、My Life as a Fake、Theft: A Love Story、Parrot and Olivier in Americaなどがあり、各作品で異なる語りの実験や歴史・社会批評が試みられています。
作風と影響
キャリーの作風は多様で、口語的な第一人称や方言的表現、実在文書の模倣、物語の視点転換などを駆使します。歴史に題材を取る際は、事実と虚構を融合させることで既成の歴史観や英雄像に挑戦し、読者に再考を促します。こうした手法はポストモダン的と評されることが多く、国際的な文学界にも大きな影響を与えています。
受賞歴と評価
- ブッカー賞2回受賞(1988年、2001年)— この賞を2度受賞した作家は他にJ. M. Coetzeeのみで、キャリーは英語圏文学における稀有な存在です。
- その他、国内外で多数の文学賞にノミネート・受賞しており、作品は多言語に翻訳されています。批評家からは物語の発明力、言語感覚、歴史と想像力の融和が高く評価されています。
読みどころと入門書
- まずは『オスカーとルシンダ』か『The True History of the Kelly Gang』から読むと、キャリーの代表的テーマと語り口をつかみやすいです。
- 歴史的小説や語りの実験が好きな読者は、『Jack Maggs』や『My Life as a Fake』もおすすめです。言語や文体の工夫に注目すると、新たな発見があります。
キャリーは長年にわたり英語文学界で独自の地位を築いており、その作品群はオーストラリアの歴史・文化を問い直すうえで重要なリソースです。初学者から研究者まで幅広い読み方ができる作家なので、興味のあるテーマや文体別に作品を選んでみてください。
小説
キャリーは9冊の小説を書いた。
- ブリス(1981年)
- イリワッカー(1985年)
- オスカーとルシンダ(1988年)
- ザ・タックス・インスペクター (1991)
- トリスタン・スミスの異常な生活 (1994)
- ジャック・マグス(1997年)
- ケリー・ギャングの真実の歴史 (2000)
- ニセモノの人生 (2003)
- ザフトラブストーリー (2006)
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