ブービートラップとは?定義・仕組み・種類・歴史・危険性・対処法

ブービートラップとは、人を殺したり、傷つけたり、驚かせたりすることを目的とした装置や仕掛けのことです。通常は、ブービートラップがあることを知らなかった被害者の行動によって引き起こされます。 戦場や犯罪現場などで用いられ、しばしば不意を突くことを狙って巧妙に隠されています。ベトナム戦争中、アメリカ人の死傷者の70%近くがブービートラップによるものでした。戦時においては、ブービートラップはしばしば心理戦の一形態として用いられ、兵士を慎重にさせたり進軍を遅らせたりする効果を狙います。

定義と特徴

ブービートラップの特徴は次の通りです。

  • 被害者がトラップの存在を知らない状態で起動すること。
  • 日常的な動作(ドアを開ける、物を拾う、スイッチを入れる等)をきっかけに作動すること。
  • 見通しの良い通路や通常の通行路に仕掛けられることが多いこと。

言葉どおり「罠」として、被害者を引き付けるための何らかの形のエサが使われることがあり、または個人的領域や制限区域に侵入した者に対して反応するよう設計されることもあります。

一般的な仕組みと起動トリガー

ブービートラップはさまざまな方法で仕掛けられますが、起動のトリガーには次のようなものがあります。

  • 物理的接触(ドアノブに触れる、物を持ち上げるなど)
  • 圧力(床や座席の圧力変化)
  • ワイヤーやトリップライン(触れる・引くことで作動)
  • 電子式センサー(光、振動、電流の変化を感知)
  • 即席爆発物(IED)を用いたものや、道路を走行する車両で作動する仕掛けなど

たとえば、例えば、ドアを開けたり、何かを拾ったり、何かのスイッチを入れたりしたときに起動することがあります。軍事用途では地雷やトリップワイヤー、即席爆発物が用いられることが多く、民間では隠し釘や危険な装置が不正に用いられる場合があります。

種類(軍事・民間・犯罪利用)

  • 軍事用ブービートラップ:戦争やゲリラ戦で用いられ、歩兵や車両を標的にする。例:地雷、トリップワイヤー、IED。
  • 犯罪目的のトラップ:盗難防止や不法侵入者への威嚇・攻撃を目的として個人や組織が設置することがある(違法行為である場合がほとんど)。
  • 実害重視ではない仕掛け:大半は人を驚かせることを目的とした仕掛けだが、誤作用や設置ミスで重大な被害を招く危険がある。

致死的なブービートラップは特に戦争、とくにゲリラ戦で多く見られます。怪我や痛みを引き起こすことを目的としたトラップは、時に薬物や他の違法な財産を守ろうとする犯罪者によって使われることがあります。また、盗難からそれを保護したい法的な財産のいくつかの所有者が誤って使用しているケースも報告されています。

歴史的背景

ブービートラップの歴史は古く、戦争や治安維持の中で長い間用いられてきました。古代や中世には落とし穴や罠が使われ、近代以降は地雷や機械的・化学的仕掛けへと発展しました。20世紀の幾つかの紛争、特に第二次世界大戦やベトナム戦争での使用が記録されており、前述のようにベトナム戦争では多数の死傷者がブービートラップによるものでした。ゲリラ戦や非正規戦闘では、少人数でも大きな戦術的効果を得るために多用される傾向があります。

危険性と法的問題

危険性:ブービートラップは予測不可能であり、設置者の意図にかかわらず第三者(市民、救援隊、子どもなど)に重大な被害を与える可能性があります。隠されていることが多く、不注意に触れるだけで致命傷を招くことがあります。

法的問題:ほとんどの法域で、人を傷つけることを目的とした仕掛けを設置することは違法です。被害を与えた場合は刑事責任・民事責任を問われる可能性が高く、設置者が正当防衛等を主張しても認められないことが多い点に注意が必要です。

発見時と遭遇時の対処法(安全優先)

具体的な解除方法や回避方法の詳細な手順は危険行為を助長する恐れがあるためここでは扱いません。安全を最優先にした基本的な考え方は次の通りです。

  • 触らない・移動させない:不審な物や疑わしい仕掛けを見つけても、決して触れたり動かしたりしないでください。
  • 距離を取る:危険が想定される場所から安全な距離を保ち、他の人が近づかないよう注意喚起する。
  • 専門家に通報する:警察・爆発物処理班(EOD)などの専門機関に速やかに連絡する。現場の位置と状況を具体的に伝える。
  • 速やかな避難と標示:必要なら周辺を封鎖し、発見場所をわかりやすく標示して被害拡大を防ぐ。
  • 負傷者がいる場合:二次被害を避けたうえで、応急手当や救急要請を行う。危険な場所では被救助者を無理に動かさないことが重要。専門家の指示に従う。

予防と注意点

  • 不審物や不自然な配置(地面の盛り上がり、スイッチのようなもの、露出したワイヤー等)に注意する。
  • 危険区域や紛争地帯への立ち入りを避け、最新の安全情報を確認する。
  • 財産保護のために危険な仕掛けを用いることは法的にも倫理的にも許されないため、正当な手段(警備、監視、適法な防犯機器)を用いる。
  • 地域や職場でブービートラップに関する教育・訓練(発見時の通報方法や避難経路の確認など)を行うことが有効。

まとめ

ブービートラップは人を傷つけることを意図した危険な仕掛けであり、その発見・対処には専門家の関与が不可欠です。戦時・平時を問わず、誰もが被害を受ける可能性があるため、予防と早期通報が重要です。個人や組織がブービートラップを設置することは重大なリスクと法的責任を伴うため、絶対に避けるべき行為です。

ブービートラップとして使用される手榴弾は、トリップワイヤーで発射するように設定されています。Zoom
ブービートラップとして使用される手榴弾は、トリップワイヤーで発射するように設定されています。

質問と回答

Q:ブービートラップとは何ですか?


A: ブービートラップとは、人を殺したり、傷つけたり、驚かせたりすることを目的とした装置や仕掛けのことです。通常、ブービートラップがあることを知らなかった被害者の行動によって作動します。

Q:戦争でブービートラップはどのように使われるのですか?


A:戦争では、ブービートラップは心理戦の一種です。兵士の動きを鈍らせ、用心深くさせるために作られたものです。罠という言葉が示すように、犠牲者を引き寄せるために何らかの餌を用意することもあります。また、個人区域や立入禁止区域に侵入した者に対して作動するように設定されている場合もある。ドアを開ける、物を取る、スイッチを入れるなど、日常的な動作で作動することもあります。また、即席爆発装置(IED)のように、道路を走行する車両が作動させることもあります。多くの場合、ブービートラップは人や車両が通常通り抜けられる場所に設置されます。

Q:ベトナム戦争でのアメリカ人の死傷者のうち、ブービートラップによるものは何割くらいですか?


A:ベトナム戦争でのアメリカ人の死傷者の70%近くがブービートラップによるものでした。

Q:殺傷力のあるブービートラップは戦争でよく使われるのですか?


A:はい、致死性のブービートラップは戦争、特にゲリラ戦でよく使用されます。

Q:非殺傷型ブービートラップは誰が使うのですか?


A:非殺傷型ブービートラップは、麻薬などの不法な財産を守りたい犯罪者や、盗難から財産を守りたい合法的な財産の所有者が使用することがあります。

Q:どのような行為がブービートラップを作動させることができますか?


A: ブービートラップは、誰かがドアを開ける、何かを拾う、何かのスイッチを入れるといった日常的な動作で作動します。また、即席爆発装置(IED)のように、道路を走る車両が作動させることもあります。

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