Truls Mørk(トゥルルス・モルク、1961年4月25日、ノルウェー・ベルゲン生まれ)は、ノルウェーのチェリスト。世界的に高く評価されるソリストであり、室内楽奏者、教育者としても活躍しています。
経歴と学び
Mørkの両親は共にプロの音楽家で、幼少期から音楽環境に恵まれて育ちました。本人は7歳でピアノの基礎教育を受け始め、のちにバイオリンも経験しましたが、最終的には父から学んだチェロに専念するようになりました。若い頃から才能を示し、17歳のときにはフランツ・ヘルマーソン、ハインリッヒ・シフ、ロシアのチェリスト、ナタリア・シャコフスカヤらのもとで研鑽を積みました。
コンクールと国際的な活動
モルクはチェロ演奏で数々の評価を受けています。1982年にモスクワで開催されたチャイコフスキー・コンクールでは、北欧の音楽家として初めてファイナルに進出し、第6位に入賞しました。この結果を契機に国際的な活動が広がり、1989年ごろからヨーロッパ各国での演奏活動を本格化させました。1994年にはオスロ・フィルハーモニー管弦楽団と共にアメリカでコンサートを行い、カーネギーホールやケネディセンターでのデビューを果たすなど、世界各地の主要ホールやオーケストラと共演しています。
録音とレパートリー
モルクは特にヨハン・セバスティアン・バッハの無伴奏チェロ組曲における深い解釈で高く評価され、これらの録音で複数の賞を受賞しています。レパートリーはバロックから現代に及び、協奏曲・室内楽・リサイタルともに幅広く取り組んでいます。世界的な指揮者やソリストとの共演、室内楽での活動も盛んで、録音やコンサートを通じて高い評価を得ています。
室内楽活動と教育
室内楽を強く愛し、音楽普及のための活動にも力を注いでいます。スタヴァンゲル国際室内楽フェスティバルを設立し、若手と国際的な演奏家が交流する場を作ってきました。また、教育者としても積極的に後進の指導に携わり、ノルウェー・オスロのノルウェー音楽アカデミーの教授を務めています。世界各地でマスタークラスを行い、多くの若手チェリストに影響を与えています。
使用楽器
モルクは1723年にドメニコ・モンタニャーナがヴェネツィアで製作したチェロを演奏しています。このチェロの巻物(上部のビット)はストラディヴァリウスが作ったものがはめられており、独特の音色と存在感を持っています。この貴重な楽器はノルウェーの銀行が彼に貸与しているものです。
総評:トゥルルス・モルクは、豊かな表現力と深い音楽性で国際的に高く評価されるチェリストです。ソロ、室内楽、教育のいずれにおいても幅広い影響を残しており、現代のチェロ界を代表する演奏家の一人とされています。