コレクター(ニューサウスウェールズ州):村の概要・歴史・観光(ドリーマーズ・ゲート)
コレクター(Collector)は、オーストラリアのニューサウスウェールズ州にある小さな村である。ニュー・サウス・ウェールズ州のゴールバーン(Goulburn)とオーストラリア首都特別地域(Australian Capital Territory)の間の連邦道路沿いにあり、ジョージ湖(Lake George)の北7kmに位置する。村は牧草地と起伏のある風景に囲まれ、通過点としてだけでなく、ワイナリーやアート、郷土料理を楽しむ観光地としても知られている。
歴史の概略
この地域は1829年にヨーロッパ人によって最初に入植されました。T.A.マレーが農場を始め、1837年に12部屋の家を建てた。1848年にはコレクターに郵便局が開設されました。村の名前はオーストラリアのアボリジニの名前であるコーレガダーにちなんでつけられた。19世紀以来、家畜牧畜や農業を基盤に発展し、連邦道路(Federal Highway)の改良や1988年の道路整備によって交通網が整えられたことで現在の姿になっている。
著名な出来事 — バッシュレンジャー(Bushranger)とその史跡
コレクターのバスレンジャーホテルは1865年1月26日にジョン・ダンが警官のサミュエル・ネルソン警部を射殺した場所として知られている。ダン(John Dunn)は19世紀のアウトローであるバスレンジャーでベン・ホールのギャングの一員だった。当時の治安情勢や拓殖期の緊張を示す史実として、地域の歴史解説や散策で触れられることが多い。
現在の見どころと地域の事業
村の商業・観光施設は規模こそ小さいが個性的な店が並ぶ。以下は代表的な事業や見どころである。
- グレープフードワインレストラン:地元食材やワインを楽しめるレストラン。
- リンウッドカフェ/レストラン:カフェスタイルの飲食店で軽食やランチが人気。
- レリダエステートワイナリーのカフェレリダ:ワイナリー直営のカフェで試飲と食事ができる。
- コレクターアートギャラリー:地元アーティストや民芸品を扱う小規模ギャラリー。
- コレクター採石場(コレクター・クオリー):産業遺産としての側面や地形観察の対象。
ドリーマーズ・ゲート(Dreamers Gate) — 彫刻と論争
コレクターはトニー・ファンタステスの彫刻「ドリーマーズ・ゲート」でも有名です。彼は1993年から1997年の間に、父親の追悼のためにこの彫刻を建立しました。長さ24メートル、高さ7メートルのセメントとワイヤーでできたゴシック様式の彫刻で、インパクトのある造形が長年にわたり通行人や芸術愛好家の注目を集めてきました。
1999年以来、芸術家とガニング・シャイア評議会(Gunning Shire Council)との間でこの彫刻を巡る論争が続いています。評議会側は構造物の安全性や景観、建築許可の問題を理由に撤去や修復を求め、芸術家や支持者は文化的価値や表現の自由を主張して対立しました。結果として法的手続きや協議が長期化し、彫刻は立ち入り制限や安全対策が取られるなど状態が変化してきました。訪問する際は現地の表示や立入禁止表示を尊重し、安全確保に努めてください。
観光情報とアクセス
- アクセス:コレクターは連邦道路沿いに位置するため、車でのアクセスが便利です。公共交通は本数が限られるため、自家用車やレンタカーの利用を推奨します。
- 宿泊・飲食:小さな村のため宿泊施設は限られます。近隣の町に宿泊施設を取るか、日帰りでワイナリーやレストランを楽しむのが一般的です。営業日は週末中心の場合があるので、事前に営業時間を確認してください。
- イベント・マーケット:地元の特産品やアンティーク、アートを扱うマーケットや季節のイベントが開催されることがあります。訪問前に最新のイベント情報をチェックするとよいでしょう。
- 周辺観光:ジョージ湖の景観や周辺の田園風景のドライブ、ワイナリー巡り、地域の歴史散策などが楽しめます。
注意点
- 村は規模が小さいため、商店やサービスは限られています。特に平日は休業の店もあるため計画的に行動してください。
- 「ドリーマーズ・ゲート」などの屋外造形物は経年劣化や安全上の理由で立ち入りが制限されることがあります。保持者や評議会の指示に従ってください。
- 自然環境保護や私有地への配慮を忘れず、ゴミの持ち帰りや歩行ルートの遵守などマナーを守って楽しんでください。
コレクターは歴史と現代アート、田園風景が共存する小さな村です。短時間の立ち寄りでも個性的なレストランやワイナリー、独特のランドマークに触れることができるため、ニューサウスウェールズ州を旅する際の寄り道スポットとしておすすめできます。