クロスビー・スティルス・ナッシュ(CSN)は、デヴィッド・クロスビー、スティーヴン・スティルス、グラハム・ナッシュからなるアメリカのフォークロックのスーパーグループである。カナダ出身のニール・ヤングを時折加えた4人組で、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング(CSNY)としても知られている。1968年に結成され、三声ハーモニーとアコースティックとエレクトリックを融合したサウンドで一躍注目を集めた。
経歴の概要
メンバー各自はそれぞれThe Byrds(デヴィッド・クロスビー)、Buffalo Springfield(スティーヴン・スティルス、ニール・ヤング)やThe Hollies(グラハム・ナッシュ)といった著名バンドで活動しており、ソロ活動や他グループでの経験を経て結成された。1969年発売のデビュー・アルバム『Crosby, Stills & Nash』は高く評価され、1970年にはニール・ヤングを加えたアルバム『Déjà Vu』を発表。以後、スタジオ作やツアーを通じて断続的に活動、時に解散・再結成を繰り返しながら影響力を保ち続けた。
代表曲・重要曲
- 「マラケシュ・エクスプレス」(Marrakesh Express)
- 「ジュディ・ブルー・アイズ」(Suite: Judy Blue Eyes)
- 「ティーチ・ユア・チルドレン」(Teach Your Children)
- 「オハイオ」(ケント州立大学銃乱射事件に対するプロテスト・ソング) — ニール・ヤング参加のCSNY名義で発表
- 「ジャスト・ア・ソング・ビフォア・アイ・ゴー」(Just A Song Before I Go)
- その他、「Wooden Ships」「Carry On」「Helplessly Hoping」なども代表的なレパートリーに挙げられる。
音楽性とテーマ
CSN/CSNYの音楽は、複雑で美しい三声(あるいは四声)コーラスとアコースティック・ギターを軸に、時にエレクトリックなアレンジを取り入れたフォークロックで知られる。歌詞は個人的な恋愛や心情を歌うものから、社会的・政治的メッセージを含むものまで幅広く、60年代末から70年代の反戦・市民権運動と結びつく楽曲も多い。特に「オハイオ」のようなプロテストソングは当時の若者文化と深く結びついた。
メンバー(簡潔な紹介)
- デヴィッド・クロスビー — コーラス/ギター。The Byrds出身で、豊かなハーモニー感覚と作曲能力を持つ。
- スティーヴン・スティルス — ギター/ボーカル。Buffalo Springfield出身で、楽曲の演奏技術とアレンジ能力に長ける。
- グラハム・ナッシュ — ボーカル/ギター。The Hollies出身でポップなメロディー感覚を担当。
- ニール・ヤング — 必ずしも常時のメンバーではないが、重要作やツアーでしばしば参加し、CSNYとしての政治色やロック色を強めた。
活動の変遷と評価
結成以来、メンバー間の個人的・音楽的な対立やソロ活動のために度々分裂と再結成を繰り返してきたが、その都度ツアーや録音で復活し、多くのファンを引きつけた。グループおよび個々の活動はフォークロック、シンガーソングライター、カントリー・ロックなど後続の多くのアーティストに影響を与え、ロック史上重要な存在として評価されている。多数のライブや再結成ツアーを通じ、広い世代に支持され続けた。
主なディスコグラフィ(抜粋)
- Crosby, Stills & Nash(1969) — デビュー・アルバム
- Déjà Vu(CSNY、1970) — ニール・ヤング参加の重要作
- CSN(1977) — その後の代表作の一つ
遺産
CSN/CSNYは、時代の精神を音楽に反映させた点と、緻密なハーモニー・アレンジで高く評価されている。政治的メッセージを含む楽曲はまた同時代の社会運動と深く結びつき、音楽が社会に与える影響の一例として語られることが多い。個々のメンバーもソロや他プロジェクトで成功を収めており、グループとしての活動と合わせて音楽史に残る存在である。