BRICSとは:ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカの定義と起源

BRICSとは何か?ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカの誕生背景と定義、経済的影響をわかりやすく解説する入門ガイド。

著者: Leandro Alegsa

BRICSは、ブラジルロシアインド中国南アフリカの国々を指す言葉として使われています。多くの経済学者は、これらの国はそれぞれ急速な工業化や経済成長、人口規模の大きさを背景に、世界経済において存在感を高めてきたと評価しています。こうした国々について書くときは、通常「BRICS」または「BRICS諸国」と表記します。

語源と発案者

この頭文字は、かつてゴールドマン・サックスに勤務していたエコノミスト、ジム・オニールが考案したものです。で 2001年、彼は「Building Better Global Economic BRICs」という論文(あるいはレポート)を発表し、将来的に世界経済で重要な役割を果たす可能性のある新興国群として「BRIC」(当時は南アフリカを含めない4カ国)という概念を提示しました。

なぜメキシコや韓国ではないのか

オニールは、同時期に経済規模が近い国としてメキシコや韓国も挙げられることを認めていますが、これらの国はすでにOECDに加盟しており、先進国に近い経済・制度的な側面を持つと見なされていたため、BRICの対象から外れました。要するに、BRICは「成長途上でありながら将来性が高い新興市場」を強調する概念だったのです。

BRICからBRICSへ — 南アフリカの参加

もともとBRICは4カ国の概念でしたが、2010年に南アフリカが正式に加わったことで「BRICS」となりました。政治的・外交的な協調は2000年代後半から徐々に進展し、2009年に最初の首脳会議が行われて以降、年次サミットや閣僚会合が定期的に開催されるようになりました。南アフリカ加盟後は、資源大国や地域代表としての側面が強まりました。

制度的協力と主要な成果

  • サミットと外相会議:各国は定期的に首脳サミットや外相会議を開催し、政治・経済・安全保障など多様な議題を協議しています。
  • 新開発銀行(NDB):2014年に設立され、インフラ投資や持続可能な開発プロジェクトへの資金供給を目的としています。これはBRICSが具体的な経済協力の枠組みを作る一例です。
  • 通貨や貿易の議論:為替や貿易決済の多角化、国際金融制度に対する意見形成など、既存の国際秩序に対する代替策や改革案の議論が続いています。

BRICSの意義と限界

BRICSは人口規模や市場の大きさ、天然資源の保有などで国際的な影響力を持つ一方、構成国間の政治体制、経済構造、発展段階は大きく異なります。これにより以下のような課題が生じます。

  • 多様性と利害の不一致:権威主義から民主主義まで政治体制が異なり、安全保障や外交政策で一致することは難しい。
  • 経済構造の違い:中国やインドは製造業とサービス業の拡大、ロシアとブラジルは資源依存、南アフリカは地域的な金融・鉱業ハブという特徴があり、共通の経済政策をとりにくい。
  • 制度的な限界:国際政治での影響力拡大をめざす一方で、単一のブロックとしての意思決定メカニズムや強制力は弱く、効果的な連携には時間と調整が必要です。

現在と将来の展望

BRICSは単なる経済指標の並びから、外交・金融面での共同イニシアティブを展開する多国間フォーラムへと進化しました。将来的には加盟国の拡大議論や、開発金融の強化、地域連携の深化などが続く可能性があります。ただし、内部の利害調整や地政学的な緊張、経済の逆風などが持続的な協調の障害となる点は引き続き注目されます。

参考としての視点

BRICSを理解するときは、単に「大きな新興国グループ」というラベルだけでなく、各国の国内事情(経済構造、政治体制、外交方針)や国際金融システムに対する立場の違いを併せて見ることが重要です。こうした総合的な視点が、BRICSの役割や限界を判断するうえで役立ちます。

現在のリーダー

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ブラジル
ジャイル・ボルソナロ
大統領

·        

·        

インド
ナレンドラ・モディ
内閣総理大臣

·        

中国
習近平
大統領

·        

南アフリカ共和国
シリル・ラマフォサ
大統領

 

質問と回答

Q:BRICSとは何の略ですか?


A:BRICSとは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの頭文字をとったものです。

Q: なぜ、この5カ国はよく一緒にされるのですか?


A: 多くの経済学者によると、これらの国は経済発展の段階が似ているため、よく一緒にグループ化されます。

Q: ジム・オニールとは何者か、また「BRICS」という言葉を生み出した彼の役割とは?


A: ジム・オニールは、かつてゴールドマン・サックスに勤務していたエコノミストです。2001年に「Building Better Global Economic BRICs」という論文を書き、「BRICS」という言葉を考案したと言われています。

Q: なぜメキシコと韓国は当初のBRICSの頭文字に含まれていなかったのか?


A: メキシコと韓国は、すでにOECDに加盟しており、より先進的であると考えられていたため、当初のBRICSの頭文字には含まれなかった。

Q: OECDの一員であることの意義は何ですか?


A: OECDの一員であることの意義は、経済成長と繁栄を促進するために協力する先進国の組織であることです。

Q: BRICS諸国の現在の経済状況はどうなっていますか?


A: BRICS諸国の現在の経済状況は様々ですが、全体としてはまだ成長途上国であり、発展途上国であると考えられています。

Q: BRICS諸国と経済発展が似ている国は他にありますか?


A: Jim O'Neillの元記事によると、メキシコと韓国も経済発展という点でBRICS諸国と似ているとされているようです。


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