セントバーナードとは|歴史・特徴・救助犬としての役割と体重・サイズ

セント・バーナードは非常に大型の種である。もともとはスイスアルプスで遭難した人を救助するために、作業犬として飼育されていた。有名なのは、凍えた登山家を蘇らせるために、ブランデーの入った小さな樽を首から提げていたと信じられていることである。しかし、セント・ベルナール・ホスピスの修道士たちは、観光客との記念撮影のために、いくつかの樽を保管している。

歴史

セントバーナードの起源は、アルプス越えの交通路にある「グレート・セント・バーナード峠(大サン・ベルナール峠)」のホスピス(施療院)にさかのぼる。修道士たちは、厳しい冬季に遭難者を探し助けるためにこれらの犬を育てた。記録に残る有名な救助犬「バリー(Barry)」は、18世紀から19世紀にかけて活躍し、伝えられるところでは約40人の命を救ったとされる。

外見・被毛・性格

  • 体格:大型で筋肉質。頭部は大きく、額にしわが見られることが多い。
  • 被毛:短毛(スムースコート)と長毛(ロングコート)の2種類があり、どちらも厚い下毛を持ち寒さに強い。季節により抜け毛が多くなる。
  • 性格:温厚で忍耐強く、家族に対しては非常に忠実。子どもに対しても寛容で「やさしい巨人」として知られる。ただし、体が大きいため、幼い子どものそばでは監視が必要。
  • 特徴:よだれが多くなる傾向があり、鼻が大きく嗅覚に優れる。

救助犬としての役割

歴史的には雪崩や吹雪の中で遭難者を探し出し、引きずり出したり暖めたりする役割を果たした。嗅覚と体力、寒冷耐性を活かし深い雪の中でも働いた。近代の救助活動では、装備や訓練方法、より小回りの利く犬種や技術が発達したため、現代では実働の山岳救助犬として現場で使われる機会は減っているが、セントバーナードは救助犬の歴史的象徴として広く知られている。

体重・サイズ・寿命・健康

  • 体重:成犬のオスは一般に約64〜91kg(140〜200ポンド)程度、メスはやや軽めで約54〜70kg(120〜155ポンド)程度とされる。個体差は大きく、血統や飼育環境で変わる。
  • 肩高(体高):オスは約70〜90cm、メスは約65〜80cm程度が目安。
  • 寿命:平均寿命はおおむね8〜10年と比較的短め。
  • 主な健康問題:股関節・肘関節形成不全、心臓疾患、胃捻転(ボアト)、がん(骨肉腫など)など大型犬に多い問題が見られるため、定期的な健康チェックと適切な管理が重要。

飼育のポイント

  • 運動:大量の持久力を必要とする激しい運動は不要だが、毎日の散歩や適度な運動は必要。成長期の過度な運動は関節を傷めるため注意する。
  • 食事:成長期にはバランスの良い栄養管理が重要。肥満は関節や心臓に負担をかけるため、獣医と相談しながら適正体重を維持する。
  • グルーミング:被毛は定期的なブラッシングが必要。特に換毛期は抜け毛対策を行う。よだれ対策としてはこまめな口周りの清掃が役立つ。
  • 住環境:大型犬のため広いスペースが望ましい。屋外・屋内どちらでも飼えるが、極端な高温には弱いため夏場の暑さ対策が必要。

まとめ:セントバーナードは歴史ある救助犬種で、穏やかで家族思いの大型犬。神話的な「樽に入ったブランデー」で凍えた人を暖めたという話は有名だが、実際にはそのような行為の記録は乏しく(多くは後世のロマン的な伝説)、現在はペットやショードッグとして親しまれている。飼育する際は大きさと健康リスクを理解し、適切な管理と愛情を持って接することが大切である。

ショートヘアのセント・バーナード。Zoom
ショートヘアのセント・バーナード。


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