摂氏(セルシウス、記号:℃)は、世界の多くの国で日常的に使われている温度の尺度です。一般的には「摂氏」「セルシウス度」「度C(°C)」などと呼ばれます。温度という概念自体は温度を表す単位の一つであり、このスケールは18世紀にスウェーデンの天文学者であるアンダース・セルシウスによって提案されました。
定義(代表点)
摂氏0度は海面における純粋な水の融点(氷が溶け始める温度)を、摂氏100度は常圧における水の沸点を基準点とする尺度です(海面での「常圧」、すなわち標準大気圧近傍の条件での値)。この2点の間を100等分した1目盛りが1℃に相当します。
由来と名称の変遷
当初この目盛りは「centigrade(センチグレード、百分度)」と呼ばれていました。1948年に国際的な決定により、単位名はアンダース・セルシウスの名前にちなみ「degree Celsius(摂氏度)」に公式に改められました。英語の"centi"は「1/100」を、"grade"は「目盛り」を意味します。
記号とSIでの位置づけ
記号は一般に「°C」と書きます(Unicodeなどでは「℃」も使われます)。国際単位系(SI(メートル法))では、摂氏はケルビンと同じ大きさの単位(目盛り幅)を持つ派生単位とみなされます。ただし、SIの基準温度はケルビン(K)であり、摂氏は絶対温度(K)に定数を加減した形で表されます。
換算方法(主な式と例)
- 摂氏から華氏(華氏)への変換:
°F = °C × 9/5 + 32
例:0°C = 32°F、100°C = 212°F - 華氏から摂氏への変換:
°C = (°F − 32) × 5/9 - 摂氏とケルビン(K)の関係:
K = °C + 273.15
例:0 K = −273.15°C(絶対零度)、0°C = 273.15 K
注意点・補足
- 上に述べた「融点」「沸点」は純水かつ標準的な圧力条件(約1気圧)での値です。標高が高くなると気圧が下がり、沸点は低くなります。
- より精密な温度測定や定義では、水の「三重点(トリプルポイント)」などが用いられることがあります。Kelvinの定義や実務上の校正にはこうした物理現象が基準になります。
- 温度計の種類(液体膨張式、抵抗温度計、熱電対、デジタルセンサーなど)によって測定精度や使い方が異なります。日常的な用途では摂氏が最も分かりやすく使われますが、科学・工学分野ではケルビンを基準に扱うことが多いです。
- 世界の多くの国では摂氏が標準として用いられていますが、国によっては今も日常的に華氏が使われることがあります(例:アメリカ合衆国など)。