万里の長城(グレートウォール)とは?宇宙最大級の銀河フィラメント解説
万里の長城(グレートウォール)とは?宇宙最大級の銀河フィラメントの正体、発見経緯、暗黒物質との関係や構造の謎を写真・図でやさしく解説。
万里の長城は、宇宙最大級の超巨大構造物のひとつとして知られています。1989年に行われた赤方偏移のサーベイデータから発見され、地球から約2億光年程度の距離にある巨大な銀河群が細長く連なったフィラメント(線状の壁)として知られます。
主な特徴
- 長さ:約5億光年以上(推定)
- 幅:約3億光年以上
- 厚さ:わずか約1500万光年と非常に薄い
- 形状:個々の銀河や銀河群が細長くつながった「線状のフィラメント」
発見と観測の方法
万里の長城は、赤方偏移を用いた銀河サーベイ(位置と速度=距離を測る手法)によって立体的に地図化された結果、明らかになりました。ここで使われたのは「赤方偏移」データで、銀河のスペクトルのずれから遠さを推定します。赤方偏移サーベイにより、空間上で銀河がどのように分布しているかが見えてきたのです。
ただし観測には限界があります。私たちからの視界は、天の川銀河の平面による遮蔽を受けています。具体的には、天の川の銀河面に存在するガスや塵(いわゆる「回避帯」)が背景の天体を隠してしまい、壁がどこまで続くのかを直接確認できない領域があるのです。
形成のしくみと理論的背景
宇宙の大規模構造の標準モデル(ΛCDMモデル)では、こうした巨大な壁やフィラメントは主に暗黒物質の網目状の分布に沿って形成されると説明されます。暗黒物質は重力で集まり、そこに通常の物質(バリオン物質)が落ち込んで銀河や銀河団を形成します。数値シミュレーション(N体シミュレーション)でも、初期のゆらぎから長大なフィラメントやシート状の構造が自然に生まれることが示されています。
議論と比較 — 他の巨大構造との関係
万里の長城は非常に大きな構造ですが、宇宙には他にもスローン・グレートウォール(Sloan Great Wall)や、報告された中ではさらに大きいとされる構造(例:ヘラクレス–コロナ・ボレアリス・グレートウォールなど)があります。ただし、これらの「超巨大構造」が宇宙原理(大規模での一様性)に対する挑戦になるかどうかは、観測の完全性や選択効果、解析手法に依存するため現在も議論が続いています。
観測上の注意点
- 赤方偏移を距離の代理とする際、銀河の固有運動(固有速度)による赤方偏移のゆがみが誤差を生じさせることがある(「赤方偏移空間歪み」)。
- 視野の遮蔽(回避帯)や観測深度の違いにより、構造の見かけの大きさが変わる可能性がある。
- 長大な構造が本当に連続しているか、複数の独立した構造が偶然重なって見えるだけかを慎重に検証する必要がある。
まとめ(要点)
- 万里の長城は、銀河が糸のようにつながった巨大なフィラメントで、長さ・幅ともに数億光年のスケールに達する。
- 1989年の赤方偏移サーベイで初めて明らかになり、赤方偏移データに基づく三次元マッピングが鍵となった。
- 形成は主に暗黒物質の重力ポテンシャルに従うバリオン物質の集積によるもので、宇宙の大規模構造(コズミックウェブ)の一部と考えられている。
- しかし観測の制約や解析上の課題があり、壁の全体像や他構造との関係は現在も研究が続いている。

万里の長城には、コマとヘラクレスのスーパークラスターが含まれています。
質問と回答
Q:万里の長城とは何ですか?
A:万里の長城は、約2億光年離れた巨大な銀河群である宇宙で知られている最大級の超構造物です。
Q: 万里の長城の長さはどれくらいですか?
A:万里の長城の長さは5億光年以上です。
Q: 万里の長城の幅はどのくらいですか?
A:3億光年の幅があります。
Q:万里の長城の厚さは?
A:万里の長城の厚さは1,500万光年です。
Q:万里の長城はどのように発見されたのですか?
A: 1989年に赤方偏移の調査データから発見されました。
Q: なぜ、万里の長城が終わっているのか、さらに続いているのかがわからないのですか?
A: 万里の長城の終わりは、天の川の銀河面によって天文学者の視界が遮られています。このあたりは「回避領域」と呼ばれています。
Q: 宇宙の進化に関する標準モデルとは何ですか?
A: 宇宙の進化の標準モデルでは、万里の長城のような構造は、最も壮大なスケールで宇宙の構造を決定しているダークマターの網状の糸に沿って形成され、それに従うとされています。暗黒物質は重力によってバリオン物質を引き寄せますが、この「普通の」物質が超銀河団の細長い壁を形成していることが天文学者によって確認されています。
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