中国地名のローマ字表記(郵便式 vs 漢語拼音):歴史と台湾での例
中国地名のローマ字表記の歴史と台湾の事例を徹底解説:郵便式と漢語拼音の違い、台北・台中・高雄での表記実例を分かりやすく紹介。
1980年代までは、中国語の地名をローマ字で表記する場合、中国語の郵便ローマ字表記が使われていましたが、その後、羽生ピンインが世界的にローマ字表記の標準となりました。中国本土では、ほぼすべての地名に羽音ピンインを使用していますが、台湾では、台北、台中、高雄などの都市名には、現在でも中国語の郵便ローマ字表記を使用しています。この方式では、アポストロフィ、ダッシュ、トーンマーカーは使用されない。
補足と正確な用語の説明
上の段落には一部文字化けや表記の揺れがあります。ここでは用語と歴史を整理します。
- 郵便式ローマ字(Postal Romanization):19世紀末から20世紀中葉にかけて、欧米の地図や郵便で広く使われた方式で、慣用的・歴史的な英語表記に由来する地名が多いです(例:Peking → 北京、Canton → 広州)。トーンや発音の区別用の記号は通常付けられません。
- 漢語拼音(Hanyu Pinyin):中華人民共和国が1950年代に整備し、1958年に正式採用された現代標準のローマ字表記法です。発音の一貫した表記を目指しており、必要に応じてトーン符号やアポストロフィ(音節の区切り)を使います。20世紀後半から国際的にも標準として普及しました。
- 威妥瑪式(Wade–Giles)などの旧式表記:かつて学術や文献翻訳で広く使われた方式で、アポストロフィで送気(破裂音の有無)を示すなど、拼音とは異なる特徴があります。台湾では歴史的に威妥瑪式やそれに基づく慣用表記が多用されました。
中国本土と台湾での状況の違い
中国本土(中華人民共和国)では漢語拼音がほぼ標準化されており、教科書・道路標識・公式文書・地名データベースなどで広く使用されています。一方、台湾(中華民国)では次のような経緯と現状があります:
- 歴史的には日本統治時代の読みや、威妥瑪式や英語慣用表記が混在していました。
- 2000年代には独自の羅馬字化(例:通用拼音)や後に導入された「台湾式ピン音(Tongyong Pinyin)」の時期がありました。
- 2009年以降、中央政府は漢語拼音を公式な標準として採用する政策を打ち出しましたが、既存の地名の英語表記(Taipei、Taichung、Kaohsiung など)は広く認知されているため、自治体や慣習により従来の表記が残っているケースが多いです。
台湾に残る代表的な英語表記(例)
- 台北 — Taipei(漢語拼音では Taibei)
- 台中 — Taichung(漢語拼音では Taizhong)
- 高雄 — Kaohsiung(漢語拼音では Gaoxiong)
- 台南 — Tainan(漢語拼音では Tainan、表記は一致する場合も多い)
- 基隆 — Keelung(漢語拼音では Jilong / Jīlóng)
- 嘉義 — Chiayi(漢語拼音では Jiayi)
表記上の違い(実務的ポイント)
- 記号の有無:郵便式や慣用表記はトーン記号や細かな区切り記号(アポストロフィ等)を使わない傾向があります。威妥瑪式はアポストロフィを使うことがあり、漢語拼音はトーン符号を付けることができますが、標識や看板ではしばしば省略されます。
- 検索・地図の互換性:現代の検索エンジンや地図サービスは複数の表記を認識することが多いですが、公式文書やパスポート・航空券では使用されるローマ字表記が重要です。旅行や書類作成では現地の公式表記に合わせるのが安全です。
- 混在する場合の注意:同一の地名で複数の英語表記が存在すると、案内板・駅名標・観光案内で不一致が見られます。例:鉄道駅は旧表記のまま、行政文書は漢語拼音で表記される、といったケース。
まとめ(実践的アドバイス)
- 中国本土では漢語拼音が標準。台湾では公式には漢語拼音を推奨していても、長年使われてきた慣用表記(Taipei/Taichung/Kaohsiung 等)が実際には根強く残っています。
- 地名を英語で表記・検索・表記統一する際は、目的(観光案内、公式文書、郵便)に合わせて「現地で使われている表記」を優先してください。
- 検索するときは、慣用表記と漢語拼音の両方を試すと見つかりやすいです。
質問と回答
Q: 中国語の郵便ローマ字表記とは何ですか?
A: 中国語の郵便ローマ字表記は、中国の地名をローマ字で表記する古い方法です。
Q: 漢語ピンインはいつから世界の標準的なローマ字表記になったのですか?
A:羽語ピンインは、1980年代に世界の標準的なローマ字表記になりました。
Q: 中国本土では、ほとんどすべての地名に何を使っているのですか?
A:中国本土では、ほとんどすべての地名に羽音ピンインが使われています。
Q: 台湾では今でも郵便のローマ字表記を使用していますか?
A:はい、台湾では今でも都市名の表記に中国語の郵便ローマ字を使っています。
Q: 郵便ローマ字で表記されている都市の例を教えてください。
A: 中国式ローマ字表記の都市の例としては、台北、台中、高雄があります。
Q: 中国語の郵便ローマ字表記にはアポストロフィ、ダッシュ、トーンマーカーはありますか?
A:いいえ、アポストロフィ、ダッシュ、トーンマーカーはありません。
Q: 現在の世界標準のローマ字表記は何ですか?
A: 現在の世界標準のローマ字表記は「Hanyu Pinyin」です。
百科事典を検索する
