数学では、定数関数とは、入力に関係なく常に同じ値を返す関数のことである。一般に f(x)=c (c は定数)と表され、定義域内のどの x に対しても値 f(x) は同じ c になる。例えば次の関数は定数関数である:

関数 y ( x ) = 4 {\displaystyle y(x)=4{\displaystyle y(x)=4}}は、入力値 x {\displaystyle y(x)x}に関係なく、y ( x ) {\displaystyle y(x)}の値が{\displaystyle y(x)}4であるので、定数関数であるx(画像参照)。

定義と表記

もっと一般には、任意の集合 D を定義域とし、c を値域の元とするとき、関数 f:D→Y がすべての x∈D について f(x)=c を満たすとき f を定数関数という。記法としては f(x)=c や y=c と書く。

グラフ

実数を定義域とする場合(f:ℝ→ℝ 等)、定数関数のグラフは平面上の水平直線 y=c で表される。区間 [a,b] を定義域とするなら、そのグラフは区間上の水平線分となる。

性質(主なポイント)

  • 値域:値域は単集合 {c} である。すなわち像はただ一つの値しか持たない。
  • 連続性:定数関数は定義域のどこでも連続である(むしろ一様連続でもある)。
  • 微分:実数値の関数であれば、導関数は everywhere 0。つまり f'(x)=0(定義される点すべてで)。
  • 積分:区間 [a,b] 上の広義積分は ∫_a^b c dx = c(b−a) となる。
  • 有界性:値が単一なので必ず有界である。
  • 単射性・全射性:定義域が複数点を含む場合、定数関数は一般に単射(1対1)ではない。全射(上への写像)であるかは値域(共通に想定する像の集合)による。値域に c のみが含まれるなら全射となる。
  • 偶奇性:どの定数関数も f(−x)=f(x) を満たすため偶関数である。奇関数であるのは c=0 の場合のみ(0 関数だけが同時に偶・奇となる)。
  • 周期性:定数関数は任意の非ゼロの周期 T に対して周期関数である(すべての T に対して周期性を満たす)。
  • アフィン関数の特殊例:一次関数 y=ax+b のうち a=0 のときが定数関数であり、傾きが 0 の直線である。

簡単な証明例

  • 導関数が 0 である理由:差分商 (f(x+h)−f(x))/h = (c−c)/h = 0 なので極限を取れば f'(x)=0。
  • 連続である理由:任意の点 x0 で |f(x)−f(x0)|=|c−c|=0 となるため、任意の ε>0 に対して十分小さな δ を取らずとも成り立つ。

拡張と応用

ベクトル値や複素数値の関数でも定数関数の概念は同様で、値が常に同じベクトルや複素数になる関数を指す。解析や微分方程式の初歩、信号処理(直流成分)など、多くの場面で基準ケースとして使われる。

まとめると、定数関数は「入力に依らず常に同じ出力を返す」非常に単純だが、微分・積分・連続性など基本的な性質を学ぶ上で重要な例である。