通常兵器とは?定義・種類・代表例と現代軍事での役割

通常兵器の定義・種類・代表例をわかりやすく解説。装甲車や戦闘機から小火器まで、現代軍事での役割と影響を網羅。

著者: Leandro Alegsa

通常兵器とは、大量破壊兵器ではない兵器のことを指します。具体的には、戦車や歩兵戦闘車両のような装甲車両から、武装ヘリコプター、戦闘機、大砲、軍艦などの艦艇、さらに小銃や拳銃などの小火器、弾薬(弾薬)、クラスター弾や地雷も含まれる、といった広範な装備が該当します。定義は国際的に厳密に統一されているわけではありませんが、一般に核・化学・生物などの大量破壊兵器以外の軍事装備をまとめて「通常兵器」と呼びます。

主な種類

  • 陸上兵器:戦車、装甲戦闘車両、歩兵携行兵器、迫撃砲、大砲、地雷や対戦車地雷、対戦車ロケットなど。
  • 航空兵器:戦闘機、攻撃機、輸送機、武装ヘリコプター、無人航空機(UAV/ドローン)、対空ミサイル。
  • 海上兵器:軍艦などの駆逐艦、フリゲート、空母、潜水艦、艦載ミサイルや対艦兵装。
  • 弾薬・投射体:弾薬全般、ロケット弾、多連装ロケットシステム(MLRS)、巡航ミサイルや弾道ミサイル(通常弾頭のもの)など。
  • 小火器・個人装備:小火器(自動小銃、軽機関銃、ピストル等)、手榴弾、狙撃銃など。
  • 特殊兵器:クラスター弾や地雷も含まれる一方で、非致死兵器(スタン武器、催涙剤等)や電子戦装置、サイバー能力・情報戦のための機材も戦術的に重要になっています。

代表的な例と用途

  • 主力戦車(MBT):地上戦での決戦力・突破力を提供。
  • 歩兵戦闘車(IFV)・装甲兵員輸送車(APC):兵員輸送と戦闘支援を兼ねる。
  • 自走砲・牽引砲・多連装ロケット:長距離からの間接火力支援。
  • 戦闘機・攻撃機:制空権確保、対地攻撃、近接航空支援。
  • 駆逐艦・潜水艦・空母:海上優勢、対潜・対艦戦闘、海上封鎖や上陸支援。
  • 無人機(UAV):偵察、標的確認、近年では攻撃任務にも利用。
  • クラスター弾・地雷:面制圧能力が高いが、戦後の残存危険性と被害が大きく、国際的に議論が集中している。

法的・人道的側面

通常兵器の扱いは、各種国際条約や国内法で規制されることがある一方、全体を一括して定義する国際法は存在しません。例えば対人地雷についてはオタワ条約(対人地雷禁止条約)があり、クラスター弾についても被害の大きさを理由に締結国が禁止する条約(クラスター弾禁止条約)が存在します。また、武器の移転に関しては《武器貿易条約(ATT)》が輸出入の規制を強化しています。これらは特定の通常兵器種の人道的影響や拡散防止を目的としています。

未爆発弾や地雷は非戦闘員に長期的被害を与え、復興や農業に大きな障害を残すため、国際的な人道支援や除去活動が重要になります。

現代軍事での役割と特徴

現代の通常兵器は単に火力を提供するだけでなく、次のような役割と特徴を持ちます。

  • 複合運用(複合戦):陸海空システムの連携(combined arms)で作戦効果を高める。
  • 精密誘導化:GPSやレーザー誘導などにより、精密誘導兵器が拡大し、目標特定精度と被害低減が向上している。
  • ネットワーク化:センサー、通信、指揮統制の統合により即応性と情報共有が強化される(ネットワーク中心戦)。
  • 無人化・自動化の進展:無人機や自律兵器の投入で危険領域での作戦が可能に。
  • 長射程化・高機動化:長距離精密打撃能力や機動展開力が重視され、戦域の形が変化。
  • 抑止と局地紛争への適用:通常兵器は核兵器と異なり、日常的な抑止力や局地紛争での軍事行動に用いられる。

まとめ

「通常兵器」は、核・化学・生物などの大量破壊兵器に対する概念として使われる広いカテゴリーであり、陸海空それぞれの兵装や弾薬・小火器まで含まれます。定義は一律ではないものの、現代の軍事力の中心を成す存在であり、技術進歩と国際法・人道的配慮の双方がその運用や規制に大きく影響を与えています。

国連通常兵器登録

国連は1991年に「国連通常兵器登録局(UNROCA)」を設立した。国連加盟国は通常兵器の輸出入の明細を登録する。登録されている通常兵器は7種類。

  • カテゴリー I - バトルタンク
  • カテゴリーII - 装甲戦闘車。
  • カテゴリーIII - 大口径砲システム。
  • カテゴリーIV - 戦闘機
  • カテゴリーV - 攻撃ヘリコプター
  • カテゴリーVI「軍艦」。
  • カテゴリーVII 「ミサイルおよびミサイルランチャー」。

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質問と回答

Q:通常兵器とは何ですか?


A: 通常兵器とは、現代の通常戦争で使用される大量破壊兵器ではない兵器のことです。

Q:通常兵器の例にはどのようなものがありますか?


A:通常兵器の例としては、装甲戦闘車両、武装ヘリコプター、戦闘機、大砲、軍艦、小火器、弾薬、クラスター弾、地雷などがあります。

Q:通常兵器と大量破壊兵器の違いは何ですか?


A:通常兵器は、大規模な被害や人命の損失をもたらす大量破壊兵器ほどの破壊力はありません。

Q:通常兵器は現代の紛争で広く使用されていますか?


A:はい、通常兵器は現代の通常戦争で使用される主要な兵器です。

Q:通常兵器の定義は一つですか?


A:いいえ、通常兵器の定義は一つではありません。

Q:クラスター爆弾や地雷は通常兵器とみなされますか?


A: はい、クラスター弾や地雷は通常兵器のリストに含まれますが、網羅的なリストではありません。

Q:軍隊が使用する通常兵器の例にはどのようなものがありますか?


A: 軍が使用する通常兵器の例としては、戦車、戦闘機、戦艦、小銃などがあります。


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