概要
デルミニウムは古代イリュリアの集落で、長くダルマタイ族の中心都市とみなされてきた。遺跡は現在のボスニア・ヘルツェゴビナにあるトムスラフグラード周辺に相当する。デルミニウムという名は古典資料や地名研究に見られ、ローマの拡大以前および拡大期の中央バルカンの社会的・政治的状況を理解するうえで重要である。
考古学と先行居住
トムスラフグラード周辺の考古学調査では、イリュリア時代より前にこの場所が居住されていたことを示す資料が得られている。出土品には研磨された石斧などの道具があり、地域の考古学的出土品として整理されている。これらの遺物は、人の活動が新石器時代および関連する先史時代にさかのぼることを示し、地域研究では概ね紀元前4000~2400年とされる時期(新石器時代)に位置づけられる。
特徴と発展
ダルマタイ族の中心地として、デルミニウムは要塞化された集落であり、イリュリアの部族中心地に典型的な行政的・宗教的役割を担っていた可能性が高い。発掘と景観調査は、居住の継続と、経済・政治条件の変化に適応する中での集落形態や物質文化の変化を示している。
ローマとの接触と後史
ダルマタイ族はこの地域の有力集団であり、ローマ共和国、のちのローマ帝国と対立者として、また支配下の集団として接した。やがてローマの軍事的・行政的統合により、地元の制度、交易網、建築は変化した。物質文化層にはローマの影響が見られ、集落の戦略的位置はその後の歴史期にも引き続き重要だった。
意義と遺産
デルミニウムは、先史時代の居住からイリュリアの繁栄、そしてローマ時代へと続く連続性を示す点で学術的価値が高い。この遺跡は、部族組織、アドリア海をまたぐ結びつき、西バルカンにおける文化変容の過程を考えるうえで重要である。周辺の遺構や出土品は地域博物館に収蔵され、トムスラフグラードの地域文化遺産の一部となっている。
要点
- デルミニウムはダルマタイ族の主要集落だった。
- 所在地は現在のボスニア・ヘルツェゴビナのトムスラフグラードに相当する。
- イリュリア以前の居住は、研磨された石斧や他の考古学的出土品によって証明されている。
- 証拠は新石器時代から古典期、ローマ時代に及ぶ(新石器時代)。