概要

EasyBCDは、Windows Boot Configuration Data(BCD)ストアのエントリを作成、編集、修復するためのグラフィカルなインターフェースを提供するWindowsアプリケーションです。ブートローダーそのものではなく、Windowsのブートマネージャーとのやり取りを簡単にすることで、異なるWindows版や他のオペレーティングシステムを含むデュアルブート、マルチブート環境の構築を支援します。NeoSmart Technologiesによって開発・配布されており、複雑な起動構成を管理するためにシステム管理者や愛好家に利用されています。

主な機能

EasyBCDは、一般的なブート管理作業をわかりやすい操作画面で扱えるようにし、さまざまな種類のエントリやツールをサポートします。

  • グラフィカルなBCD編集 — 起動エントリの作成、名称変更、削除、並べ替え、既定OSやタイムアウトの変更。
  • クロスプラットフォームのチェーンローディング — Linux(GRUB)、BSD、macOSのブートローダーをチェーンロードするエントリを追加し、同一マシン上で複数OSを共存させる。
  • 救助と修復 — BCDストアの再構築や修復、従来のMBR/ブートセクターの復元、復旧用の起動可能な外部メディアの作成。
  • 高度なエントリ — ISOイメージや仮想ハードディスクから起動するエントリの作成、またはカスタムなGRUB風スクリプトを使うための組み込みNeoGrubモジュールの利用。

背景と開発

Windows Vistaの登場により、Microsoftは従来のboot.ini構成をBoot Configuration Data(BCD)システムに置き換えました。BCDは強力ですが、一般ユーザーが簡単に編集できるものではありません。EasyBCDはそのすき間を埋めるために登場し、エントリ管理や他プラットフォームのチェーンロードを行える、使いやすいGUIを提供しました。その後は、後続のWindowsリリースに対応しながら、バックアップ、ブートローダーのバックアップ、一般的な作業を簡単に進めるためのウィザードなどの利便性機能を追加して進化しました。

典型的な用途と例

EasyBCDの代表的な利用例には、WindowsとLinuxディストリビューションのデュアルブート設定、起動しないWindowsインストールの復旧、新しいWindows版に並べて古いWindows版のエントリを追加すること、破損したBCDストアを修復できるレスキューUSBの作成などがあります。Windows内で動作するため、通常は起動構成を変更したいオペレーティングシステム上でEasyBCDをインストールして実行します。

制限と注意点

EasyBCDはWindowsのブート環境を変更するため、Windowsホスト上での使用が前提です。変更を加える前にはBCDをバックアップし、慎重に作業する必要があります。誤った編集はシステムを起動不能にする可能性があります。無料版と商用ライセンスのモデルがあるため、業務環境で使う前に配布条件を確認してください。公式情報や追加ドキュメントは、Microsoft Boot Manager のドキュメントを参照してください。

注目すべき違い

GRUBやLILOのようなブートローダーとは異なり、EasyBCDは起動時に読み込まれてOSを選択したりチェーンロードしたりするものではありません。Windows Boot Managerが使用するエントリを操作する役割を担います。主な役目は管理的なものであり、コマンドラインツールよりもGUIを好むユーザーにBCDを扱いやすくすることです。