感電(電気ショック)とは?原因・症状・致死電流と安全対策をわかりやすく解説
感電(電気ショック)の原因・症状・致死電流を解説し、家庭・職場向けの安全対策と応急処置を図解でわかりやすく紹介する必読ガイド。
感電とは、生きているものに電気が通ることを指します。これは人体が電気回路の一部になり、外部からの電流が体内を流れる現象です。歴史的には「感電死」という言葉は、電気と処刑の間の多元的な意味合いから生まれたもので、電気椅子で処刑された人を指すことがありましたが、一般には電気による致命的な事故を表す用語として使われます。致命的でない場合は「電気ショック」や単に「ショック」と呼ばれます。
電流・電圧と人体への影響
人体にとって危険なのは主に電流(アンペア、A)であり、電流の強さと流れる時間、経路が重症度を決めます。電流を流すためには一定の電圧(ボルト、V)が必要で、通常は交流(AC)で約50ボルト以上を一般的に“感電の危険あり”の目安とすることが多いです。ただし、皮膚の状態(乾燥・湿潤)、接触面積、接触部位、体重や体脂肪、接地状況などで必要な電圧は変わります。
電流と症状の目安(おおよその値)
- 感覚レベル:約0.5~1 mAでピリッと感じる(知覚閾値)
- 掴み外せるかどうか(let‑go閾値):おおむね5~20 mA。10~20 mAでは筋肉の収縮で影響を受けた手足を動かせないことがある
- 呼吸への影響:20 mA前後で呼吸が困難になり、約75 mAで呼吸停止に至る可能性がある
- 心臓への影響(心室細動):おおむね100 mA 程度から心室細動を起こす可能性があり、100~300 mA は非常に危険
- 重度の筋収縮・熱傷:200 mA 以上で強い筋収縮や焼灼(やけど)を伴うことがある
これらはあくまで目安で、周波数(50/60 Hz の交流は心室細動を起こしやすい)や直流か交流かでも危険度は変わります。
感電が重症化する要因
- 電流の大きさ(アンペア)と流れる時間(長いほど重篤)
- 電流の経路:心臓を通る経路(腕から腕、腕から胸部など)は特に危険
- 周波数:50/60 Hz の交流は心臓に悪影響を与えやすい
- 皮膚の抵抗:湿った皮膚や傷があると抵抗が下がり電流が流れやすい
- 電圧と電源能力:高電圧でかつ十分な電流を供給できる電源は危険
安全装置について(GFCI / RCD 等)
GFCI や RCD のような漏電遮断器は、人に流れる差分電流(漏れ電流)を検出して電源を迅速に遮断することで感電の被害を低減します。一般的に5~30 mA (0.005~0.03 アンペア) の範囲で検出・遮断する仕様が多く、30 mA のRCDは家庭用として広く使われています。これらは短時間で電源を切るため、心室細動や重篤な受傷を防ぐ効果がありますが、接触点での局所的な火傷などすべての損傷を防げるわけではありません。
応急処置(感電事故が起きたら)
- まず身の安全を確保する:感電している人物に触れる前に、電源を切るか、感電者と電源を絶つ方法を確認する。電源が切れない場合は絶縁された棒など非導電体で接触を断つ。素手で直接触れない。
- 電源を安全に遮断できない場合は、濡れた布や金属で引き離そうとしない(感電の危険が拡大する)
- 意識・呼吸の確認:呼吸や脈がなければ119に通報し、必要に応じて心肺蘇生(CPR)を行う。現場にAEDがあれば使用する。
- やけどの処置:やけど部分は清潔なガーゼ等で覆う(深いやけどは触らない)。衣服が電極に張り付いている場合は無理に剥がさない。
- 医療機関へ:感電後に自覚症状(胸痛、めまい、しびれ、吐き気など)がなくても、内部損傷や心臓の不整脈が起きることがあるため、必ず医師の診察を受けること。
日常でできる予防策
- 家庭や作業場に適切なRCD(GFCI)を設置する。屋外や水回りには必須。
- 電気機器のコードやプラグに損傷がないか定期的に点検する。
- 濡れた手や濡れた場所で電気機器を扱わない。
- 高電圧設備の作業は資格を持つ専門家に任せる。絶縁工具や保護具(ゴム手袋・絶縁靴など)を使用する。
- 感電が起きやすい環境では、適切な安全手順(ロックアウト/タグアウト)を実施する。
- 子どもがいる家庭ではコンセントカバーを付けるなどの対策を行う。
まとめ:感電は電流の大きさ、流れる時間、経路によって結果が大きく変わります。日常的な予防(点検、RCDの導入、乾燥した環境での使用)が非常に有効であり、事故が起きた場合はまず電源を確実に切り、必要に応じて119番通報・CPR・AEDを行ってください。感電後は外見上軽症に見えても内部的な障害が発生している可能性があるため、医療機関での受診をおすすめします。
質問と回答
Q:感電死とは何ですか?
A: 感電死とは、電気が生きているもの、通常は人体を通過することです。致命的な場合と非致死的な場合があり、致命的な場合は「感電」、非致死的な場合は「電撃」または単に「ショック」と呼ばれます。
Q:人体に電流を流すには、どれくらいの電流が必要ですか?
A:人体に電流を流すには、十分に高い電圧、通常は50ボルト以上の交流電圧が必要で、電圧発生装置は十分な電流を供給できるものでなければなりません。
Q:感電から人体を守るための安全装置には、どのようなものがありますか?
A: GFCIやRCDなどの安全装置は、5~30mA(0.005~0.03アンペア)以上の電流から人間を保護しようとするものです。
Q:人間の筋肉は、どの程度の電流で麻痺するのですか?
A: 10〜20 mAの電流で人間の筋肉は麻痺し、影響を受けた腕や足を動かすことができなくなります。
Q:どの程度の電流で呼吸が困難になるのですか?
A:20mA程度で呼吸が困難になります。
Q:心臓が細動する電流は何mAですか?
A:100mAで心臓が細動を起こし、即死する。
Q:電流が200mAになるとどうなるのか?
A:200mAでは激しい筋収縮と火傷になる。
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