コモンローの国々では、衡平性は司法の評価に基づくものである。自然法のもとで公平で正しいとされることが多いものです。法律そのものが問題に対処していない場合や、何らかの形で不十分な場合に使用されます。衡平性の決定の例としては、先取特権を敷地境界線を修正すること、損害を防ぐために誰かに何かをするよう命令することなどがある。
衡平法(エクイティ)とは
衡平法(エクイティ)は、歴史的にはイングランドのチャンセリー(衡平裁)から発展した法体系で、コモンロー(英米法)の厳格な法適用だけでは救済が不十分な場合に、裁判所が柔軟に「公平」に基づいて与える救済を指します。裁判所は法律の穴や硬直性を補い、個別の事情や良心(conscience)に照らして適切な解決を図ります。
衡平法の特徴と基本原則
- 裁量的・個別的:衡平法の救済は裁判所の裁量に依るため、当事者や事情に応じて柔軟に決定されます。
- 救済の補完性:金銭賠償(損害賠償)では不十分な場合に適用されることが多い(例:土地や芸術品のように代替が難しい財産)。
- 衡平の格言(maxims):代表的なものに「衡平は法律に従う(Equity follows the law)」「衡平は個人に対して作用する(Equity acts in personam)」「清廉潔白であるべき(He who comes to equity must come with clean hands)」「遅延は救済を阻む(Equity aids the vigilant, not those who slumber)」などがあります。
- 信義・良心の重視:契約後の行為、信頼関係、不当利得の有無など、当事者の行為と良心が裁量の判断材料になります。
代表的な衡平救済(例)
- 差止命令(Injunction):相手方の行為をやめさせる(差止)または特定の行為をするよう命じる(履行差止・強制)命令。典型例は土地の越境や営業秘密の漏洩を止める場合。
- 特定履行(Specific performance):契約の内容を金銭ではなく実際に履行させる救済。土地売買や唯一無二の品目に対して用いられることが多い。
- 衡平的先取特権(Equitable lien)・差押え:特定の財産に対する担保的権利を認めることで、債権回収を確保する。
- 不当利得の帰属やconstructive trust(不当利得帰属信託):不正に得た利益を特定の人に帰属させることで、受益者が利益を保持できないようにする。
- 文書の更正(Rectification)・取消し(Rescission):契約書や証書の内容が真意と異なる場合に訂正したり、契約自体を無効にする救済。
- 衡平的禁反言(Estoppel):一方の言動により他方が信頼し行動した場合、主張を抑制して被害を防ぐ。
どのような場合に衡平法が適用されるか
一般に、次のような事情があると衡平救済を請求する根拠になります。
- 金銭賠償では被害回復が不可能または不十分である場合(例:土地、唯一品の譲渡)
- 法律上の権利関係が複雑で、単純な法的手続では不適切な結果になるおそれがある場合
- 不正行為、信義則違反、詐欺など良心に反する行為が関与している場合
- 当事者の行動により相手側が信頼し損害を被った場合(禁反言の考え方)
実務上の注意点
- 差止め・特定履行は裁判所の裁量的救済であるため、請求が認められるには「法律救済が不十分であること」「衡平の格言に反しないこと(清廉潔白、遅延がない等)」などの要件を満たす必要があります。
- 衡平救済は一時的措置(仮差止命令)としても用いられることがあり、本案判決までの間に現状を維持するための保全手段として重要です。
- 法と衡平の融合:近代では法と衡平の手続が統合された国も多く、形式上は同じ裁判所で扱われる場合が多いですが、救済の性質や適用基準は依然として異なります。
まとめ
衡平法(エクイティ)は、形式的な法律だけでは公平な結論に達しない場合に、裁判所が良心と公平の観点から与える救済の体系です。差止命令や特定履行、衡平的先取特権、禁反言など多様な救済手段があり、それぞれ裁量や要件があるため、具体的事案ごとに慎重な判断が求められます。

