EVO Smart Console(当初名称:Evo: Phase One)は、Envizions社製のメディアPCおよび第7世代時代のゲーム機に位置づけられる製品です。ベータ版(EVO: Phase One として)は2006年10月20日に公開され、製品版は2008年11月20日にリリースされました。家庭のリビングルームでの利用を想定した小型フォームファクタで、メディア再生とゲームの両方を1台でこなすことを目的として設計されています。

概要と目的

設計思想は「PCの自由度」と「据え置きゲーム機の操作性」を融合することにあり、映像再生、音楽再生、インターネット閲覧、軽量なゲームプレイをリビングルームで手軽に実現することを目指していました。家庭用テレビとの接続やリビング向けのリモコン操作など、従来のPCよりもコンシューマー指向の使い勝手を重視した作りが特徴です。

ソフトウェア

OSはFedoraをベースとしたLinuxディストリビューションを採用しており、オープンソースソフトウェアを中心に構成されていました。標準で付属しているゲームはSuperTuxKobo DeluxeKid Destinyの3本で、これらは主にコミュニティ製の軽量なタイトルです。Linuxベースのためカスタマイズ性が高く、追加ソフトの導入や設定変更が可能です。

互換性とゲーム実行

本機はネットワークや互換レイヤー、エミュレーションなどを利用することで、幅広い用途に対応できる設計でした。メーカー発表ではWindows用のゲームを実行できるとされており、実際には互換レイヤーや追加ソフトの導入、あるいは別OSのインストールといった手段でWindows向けタイトルを動かすことが可能な場合がありました(対応状況はタイトルや構成に依存します)。

ハードウェア仕様(代表的な構成)

  • ストレージ:120GBのハードディスクを搭載
  • 2GBのRAMを搭載
  • 映像出力はHD対応(高解像度での出力をサポート)であり、家庭用テレビやディスプレイでの再生が可能(接続端子はモデルによって異なります)。
  • ネットワーク機能を搭載し、インターネットに接続してストリーミングやダウンロードが行える設計。

接続性・拡張性

製品はUSBポート、ネットワークポート(有線/無線)、映像出力など家庭用PCとして一般的なインターフェースを備えており、外付けドライブやコントローラの接続、周辺機器の追加などにも対応します。モデルやファームウェアのバージョンにより搭載するポート構成は異なります。

評価と歴史的意義

EVO Smart Consoleは、当時まだ黎明期にあった「PCベースのリビングルーム機器」や「コンソールとPCの融合」を試みた先駆的な製品の一つです。大手ゲーム専用機とは異なる柔軟性を持つ一方で、ソフトウェア互換性やサポート体制の面で商用ゲーム機ほどの安定感を得られなかった点があり、ニッチなユーザー層向けの製品という評価が多く見られます。

まとめ

EVO Smart Console(Evo: Phase One)は、FedoraベースのLinuxを採用したメディアPC兼ゲーム機として、2006年のベータ版公開から2008年の製品版リリースまでに開発された製品です。家庭のリビングルームでのメディア再生やインターネット利用、Linux上でのゲームプレイを手軽に行える点が特徴であり、当時のPCコンソール融合の動きを象徴する一台といえます。