フェイジョアは、高さ1〜7mの常緑低木または小高木であるAcca sellowianaの果実である。ブラジル南部、コロンビアの一部、ウルグアイパラグアイアルゼンチン北部の高地が原産地である。また、アゼルバイジャンイランラムサール)、グルジアロシアソチ)、ニュージーランドオーストラリアタスマニア)でも栽培されている。

果実は「パイナップルグァバ」「グァバスティーン」とも呼ばれる。

特徴

  • 樹形・葉:常緑で枝が密に茂る低木〜小高木。葉は濃緑で光沢があり、裏面はやや銀白色を帯びる。
  • :白と赤の目立つ花を咲かせ、花弁の内側がわずかに赤くなる品種もある。花弁は食用で、甘味がありサラダや飾りに使われることがある。
  • 果実:楕円形〜円形で大きさは数cm〜7cm程度。外皮は緑色で熟すと薄く黄色味を帯びるものもある。内部は黄色〜黄緑色のゼリー状の果肉で、独特の芳香がある。
  • :名称の由来通り、パイナップルとグァバ、時にストロベリーを連想させる香りと甘酸っぱさが特徴。種は小さく硬めだが、気にならない程度。

栽培・生育環境

  • 温暖な気候を好むが、比較的耐寒性があり、軽い霜に耐える品種もある。冬季の厳しい寒さには弱い。
  • 日当たりの良い場所を好むが、半日陰でも育つ。風通しの良い場所が望ましい。
  • 土壌は排水の良いものを好み、過湿は根腐れの原因となる。pHはやや酸性〜中性(おおむね5.5〜7.5)が適する。
  • 繁殖:種子、挿し木、接ぎ木での増殖が可能。種子から育てると性質が変わることがあるため、特性を保つには挿し木や接ぎ木が一般的。
  • 受粉:品種によっては自家結実するが、複数品種の混植で実つきが良くなる場合が多い。ミツバチなどの昆虫による受粉が助けになる。

収穫と保存

  • 完熟すると自然に落果することが多く、落ちた果実は熟して甘みが増していることが多い。商用栽培では落果前に収穫して追熟させる場合もある。
  • 鮮度保持期間は短め。冷蔵保存で数日〜1週間程度。長期保存する場合は冷凍、ジャムやペースト、ジュースに加工するとよい。

食べ方と利用

  • 生食:縦半分に切り、スプーンでゼリー状の果肉をすくって食べるのが一般的。外皮は食べないことが多い。
  • 加工:ジャム、コンポート、ジュース、スムージー、アイスクリーム、焼き菓子やソースなどに利用される。香りが強いのでアクセントに向く。
  • 花弁の利用:花の厚い花弁は甘味があり、そのままサラダのトッピングやデザートの飾りとして使える。

栄養と健康効果

  • ビタミンCや食物繊維、ポリフェノールなどを含む。抗酸化作用や整腸作用が期待されるが、過剰摂取による特別な注意は通常不要。
  • 果実は低カロリーで、自然な甘みを活かしたデザートや加工品に適している。

病害虫と管理

  • 一般的に丈夫な植物だが、過湿による根腐れや、スケール類(カイガラムシ)などの害虫、葉や果実に発生する一部の菌病に注意が必要。
  • 適切な剪定で風通しを良くし、健康な樹勢を保つことが病害虫対策につながる。

品種と用途

  • 世界各地で果実の大きさや風味、自己結実性などを改良した多数の品種が栽培されている。ニュージーランドはフェイジョア栽培の主要地域の一つで、市場向けの品種が多く知られている。
  • 家庭果樹としての人気が高く、生食だけでなく鑑賞用の庭木や生け垣としても利用される。

注意点

  • 果実特有の香りや風味を好む人と好まない人がおり、好みが分かれることがある。
  • 新鮮な果実は落果しやすいため、収穫時期や保管に注意すること。

まとめると、フェイジョア(Acca sellowiana)は、独特の芳香と爽やかな甘酸っぱさが魅力の果樹で、食用としても観賞用としても価値が高い植物です。気候や栽培管理に合えば、家庭でも楽しめる果樹です。