被子植物の性とは、花の内部や個体間で雄性・雌性の生殖機能がどのように分配されるかを指す。植物学では、1つの花に両方の性器官があるのか、同じ植物の別々の花で性が分かれるのか、あるいは個体全体が雄か雌のどちらかなのかを、精密な用語で区別する。こうした配置は、受粉、遺伝子流動、生殖成功に影響する。
基本用語
主な用語は次のとおりである。
- 両性花(完全花): 雄しべと雌しべ(雄蕊と雌蕊)の両方を備える。
- 単性花(不完全花): 雄しべだけをもつ雄花、または雌しべだけをもつ雌花。
- 雌雄同株: 1つの植物体に雄花と雌花の両方がつく(例: トウモロコシ)。
- 雌雄異株: 個体が雄株か雌株のどちらかである(例: ヤナギ、キウイフルーツ)。
性システムと変異
雌雄同株や雌雄異株のほかにも、複数の性システムがある。たとえば、雌株と両性個体が存在する雌雄両全異株、雄花と両性花を同一個体にもつ雄両全同株、そして花型を組み合わせる両全性などである。ある種では、閉鎖して自家受粉する閉鎖花が、開いて昆虫によって受粉される花と並んで見られる。
機構と進化的役割
性のあり方は交配様式に影響する。雌雄異株や自家不和合性の機構は他殖と遺伝的多様性を促進するが、送粉者や交配相手を必要とする。両性花では自家受精が可能であり、送粉者が少ない状況でも生殖を確保できる一方、近親交配が増えるおそれがある。
重要性と応用
植物の性の理解は、生態学、保全、農業のいずれにおいても重要である。雌雄異株作物(例: キウイフルーツ、ヘンプ)の栽培では、雄株と雌株の比率を考慮する必要がある。育種では、雄性不稔や性表現を利用して雑種を作り、結実や種子形成を制御する。
総じて、被子植物に見られる多様な性システムは、生殖の確実性、資源配分、そして遺伝子を混ぜ合わせる利点のあいだにあるトレードオフを反映している。