概要
Ghost Storiesは、イングランドのロック・ポップ・バンドコールドプレイによる6作目のスタジオ・アルバムで、2014年に発売された。作品全体は、同バンドの以前の大規模なアリーナ向け作品よりも、静かで親密な仕上がりとして語られることが多い。歌詞では喪失、記憶、夜を思わせるイメージが中心となり、音楽面では余白のある編成とアンビエントな質感が重視されている。
音楽的特徴
このアルバムは、ピアノ主体のバラードに、シンセパッド、加工されたボーカル、打ち込みのパーカッションといった電子的要素を組み合わせている。大きな合唱パートで一気に高揚させるというよりも、多くの曲が繊細な展開、重ねられた空気感、抑えた歌唱で成り立っている。そのため、作品全体には内省的で、深夜を思わせる雰囲気がある。
背景と録音
制作は、メンバーそれぞれの私生活に変化があった時期と、長期にわたる世界的な注目のあとに進められた。録音では外部の共同制作者やプロデューサーも加わり、作曲面ではより短い曲の流れと緊密な曲順が意識された。結果として、アルバムはまとまりのある一つの作品となり、個人的な変化と和解についてのコンセプト作品だと受け取るリスナーもいる。
シングルと注目曲
- 「Magic」 — アルバムの抑制されたサウンドを示した先行シングル
- 「Midnight」 — 電子処理を用いた、実験的でアンビエント寄りの曲
- 「A Sky Full of Stars」 — 明るい電子的プロダクションを備えたアンセム風の曲
- 「True Love」 — 恋愛の難しさを扱う、ピアノ中心のバラード
- 「Ink」 — メロディのフックを備えた、中庸のテンポの物語性ある曲
評価と影響
批評家と聴衆は、このアルバムをスタイルの転換として受け止めた。率直さと一貫した雰囲気を評価する声がある一方で、前作までのような大きなポップ的高揚を惜しむ意見もあった。やがてGhost Storiesは、コールドプレイの表現の幅を広げた作品として位置づけられ、主流のロック・ポップがメロディ重視の作曲を保ちながら、アンビエントや電子的要素を取り入れられることを示したとみなされている。