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五世(ごせい、文字通り「五世」)とは、北米や南米の国々で、日本人移民定住した後に生まれた世代の呼称で、日系人社会における世代を示す語である。一般に、一世(Issei)は日本で生まれて移住した世代、二世は新しい国で生まれた子(Nisei)、一世の孫が三世、その曾孫が四世、そして曾曾孫にあたるのが五世である。五世は一世の祖先のひ孫であり(つまり五代目にあたる)、それぞれの世代で国籍や文化、言語の所属感が変化していく点が特徴である。

歴史的背景

19世紀末から20世紀前半にかけて、労働力や定住を目的に多くの日本人が海外へ移住しました。特にブラジル、ペルー、アルゼンチン、アメリカ合衆国、カナダなどには大規模な日系社会が形成され、そこから世代が積み重なっていきました。五世は、こうした長年の移住と定住の結果として現れる世代であり、祖先(一世)が移住した国で五代目に当たる人々を指します。

文化的・社会的特徴

  • 同化と選択的継承:五世の多くは母語として日本語を保持しておらず、現地語を第一言語とすることが一般的です。ただし、祭りや伝統料理、神社・寺、日系団体の行事など、文化要素を象徴的に受け継ぐケースが多く見られます。
  • 結婚・家族構成:異民族間結婚(mix marriage)の割合が上がるため、血統的・文化的背景が多様化しています。このため「日系」をどのように定義するかは、個人や地域によって差があります。
  • アイデンティティの多様性:五世は「日系」というラベルを持ちながらも、現地社会に深く根ざしたアイデンティティを持つことが多いです。一方でルーツ探しや日本文化への関心が高まり、祖国訪問や語学学習、文化体験に取り組む人も増えています。
  • 宗教・コミュニティ:初期移民が作った仏教・神道、あるいは日系キリスト教会などの宗教施設や日系団体は、世代を越えてコミュニティの拠点として機能していますが、五世世代では参加の仕方や結びつき方が変化しています。

言語・教育

五世世代では日本語の流暢さが低下する傾向にあり、家庭内や地域の日本語学校(補習校)での学習機会が限られる場合が多いです。そのため、言語の維持は世代を下るごとに難しくなります。ただし、第二言語としての日本語学習や、ポップカルチャー(アニメ、音楽、食文化)を通じた接触は増えており、文化的関心の新たな動機となっています。

研究と社会的意義

五世という概念は、日系社会の長期的な変化を理解するうえで重要です。世代ごとの経験は移民政策、差別・排斥の歴史、経済状況、婚姻パターンなど多くの要因と結びついて変化します。こうした世代の研究は、アメリカ日本ではじめ、各国の社会学・人類学・歴史学の領域で進められています。近年は五世以降の世代(四世・五世・六世)を対象に、アイデンティティ、文化継承、トランスナショナルな関係性を問う研究が増加しています。

まとめ

五世とは、海外で定住した日本人の子孫のうち五代目にあたる世代を指す呼称で、言語や文化の継承状況、社会的結びつきの変化が特徴です。地域や個人によって経験や自己認識は多様であり、「日系」としての意味も時代とともに変化しています。五世に関する理解は、日系コミュニティの過去と現在、そして将来を考えるうえで重要な手がかりとなります。