ヘルセ(木星の衛星)|軌道・発見・カルメ群
ヘルセは2003年に発見された木星の小型の不規則・逆行衛星。木星から約2,213万kmを公転し、直径は約2kmで、捕獲起源とされるカルメ群の一員と考えられている。
概要
ヘルセは、木星が持つ多数の小型不規則衛星の一つである。2003年、ブレット・J・グラッドマン率いる研究チームと共同研究者によって発見された。2009年にヘルセの名称を与えられるまでは、仮符号S/2003 J 17で呼ばれていた。直径はおよそ2キロメートルであり、球形になるには小さすぎる。このため、大型望遠鏡や木星系を対象とする観測調査によってのみ観測可能である。
画像ギャラリー
1 画像軌道と物理的特徴
ヘルセは木星から遠く離れた、傾斜した逆行軌道をたどる。平均軌道半径は約2,213万4,000キロメートルで、1周には約672.716日を要する。衛星の軌道は太陽系の基準面に対して大きく傾いており、黄道面に対する軌道傾斜角は約162°である。また、軌道の離心率も顕著である。
- 平均軌道距離:約22,134,000 km
- 公転周期:約672.716日
- 軌道傾斜角:黄道面に対して約162°(出典)
- 離心率:約0.2379(出典)
- 推定直径:約2 km
発見と名称
この衛星は、21世紀初頭に同定された暗い木星衛星の一連の発見の一つとして、2003年に発見された。検出器の性能向上と広視野観測調査が、こうした発見を可能にした。仮符号S/2003 J 17の後、国際天文学連合は2009年、ゼウス/ユピテルに関わる古典神話の登場人物から木星の衛星を命名する慣例に従い、ヘルセの名を付与した。
群への所属と起源
ヘルセは一般にカルメ群の一員として分類される。カルメ群は、類似した軌道とスペクトル特性を共有する不規則な逆行衛星の集団である。この群は木星からおよそ2,300万〜2,400万キロメートルの距離、約165°の軌道傾斜角をもつ軌道を公転する。ヘルセは典型的な範囲よりやや木星に近く、この群で知られる最も木星に近い構成員と記されることが多い。カルメ群の衛星は非球形で、似た赤みがかったスペクトル特性を示す。このことは、捕獲された後に破壊された母天体の破片である可能性を示している(カルメ群、非球形)。
意義と観測
ヘルセは木星やその大型衛星に影響を及ぼすには小さすぎるが、このような天体の研究は木星衛星系における捕獲と衝突の歴史を理解する上で重要である。その軌道と組成は、不規則衛星の集団を形づくった過去の出来事に関する手掛かりを与える。継続的な観測は軌道要素を精密化し、群への所属や起源に関するモデルの検証に役立つ。しかし、ヘルセは暗いため、今後も主として専門的な望遠鏡観測計画の対象となる。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com ヘルセ(木星の衛星)|軌道・発見・カルメ群 Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/43894
出典
- cfa-www.harvard.edu : IAUC 8116: Satellites of Jupiter and Saturn
- cfa-www.harvard.edu : MPEC 2003-G19: S/2003 J 17