硫酸鉄(II)は、一般に硫酸第一鉄、歴史的にはcopperasと呼ばれる無機塩で、化学式はFeSO4です。鉄(II)イオンと硫酸イオンから成り、化合物そのものの基本情報は化合物の項目も参照できます。

特性

最も一般的な形は七水和物のFeSO4·7H2Oで、淡緑色の結晶として現れ、しばしばgreen vitriolと呼ばれます。水溶液中では鉄は+2酸化状態にあり、これは鉄(III)塩とは溶解性や化学的性質が異なります。硫酸鉄(II)は水に中程度に溶け、空気に触れると容易に酸化して鉄(III)種となり、褐色の酸化鉄を生じます。

歴史と製造

硫酸鉄(II)は古代から知られており、鉄を含む材料を硫酸で処理するか、硫化鉱物が風化することで得られてきました。過去には染色、媒染剤、鉄没食子インクの製造に広く用いられました。現在の工業生産では、鉄を硫酸で中和する方法や、金属酸洗の副産物として回収する方法が一般的です。

用途と応用

  • 医療: 鉄欠乏性貧血の治療に使われる、安価な経口鉄補充剤。
  • 農業・園芸: 植物のクロロシスを改善し、芝生のコケ対策にも用いられる。
  • 産業・水処理: 廃水処理で還元剤および凝集剤として働き、他の鉄化合物の前駆体にもなる。
  • 実験・工芸: 試薬として、また染色や歴史的にはインク、なめしに使用される。

その鉄含有量により、元素の化学や、多くの鉄系プロセスと結びついています。

安全性と区別

有用ではあるものの、硫酸鉄(II)は皮膚や消化管を刺激することがあり、大量摂取では毒性があります。サプリメントとして使う場合は、適切な用量と保管が重要です。環境面では、流出すると水を酸性化し、溶存鉄を増やすおそれがあります。また、硫酸鉄(II)(Fe2+)は硫酸鉄(III)(Fe3+)や他の鉄サプリメント・鉄塩とは、溶解性、色、反応性が異なるため、区別が必要です。