概要
絞りは、光学系の中で光が通過する開口部です。光学でも写真でも、絞りを調整することで像面や検出器に届く光の量が決まります。絞りを変えると画像の明るさが変化し、シャープさや被写界深度など、いくつかの画質特性にも影響します。
機構と測定
調整可能な絞りの多くは、レンズ内部のダイヤフラムによって作られ、一般にアイリスと呼ばれます。ダイヤフラムは重なり合う羽根で構成され、おおむね円形の開口を作ります。絞りの大きさは通常、fナンバー(またはfストップ)で表され、これはレンズの焦点距離と絞り径の比として定義されます。fナンバーが小さいほど開口は大きく、入る光は多くなります。逆にfナンバーが大きいほど開口は小さく、光は少なくなります。映画や放送の分野では、レンズを実際に通過する光量を考慮するためにTストップが用いられます。
光学的効果
絞りは、次のような光学特性に影響します。
- 露出: 開口が大きいほど多くの光を取り込み、必要な露光時間を短くできます。
- 被写界深度: 開放寄りの大きな絞りでは被写界深度が浅くなり、小さな絞りでは合焦とみなせる範囲が広がります。
- 回折とシャープさ: 極端に小さい絞りでは回折が生じて細部が失われる一方、極端に大きい絞りではレンズ収差が目立つことがあります。
- ボケ: ピント外れ部分の見え方は、絞りの形状や羽根の枚数に左右されます。
歴史と用途
開口によって光を制御する考え方は、ピンホールカメラにまでさかのぼります。可変のアイリスや多羽根のダイヤフラムは、写真家や計測機器の製作者が、明るさ、解像、表現意図のバランスを取るための実用的な手段として発展しました。絞りは、カメラ、望遠鏡、顕微鏡、そして多くの科学機器で基本的な要素です。
区別と実用上の注意
顕微鏡や光ファイバーでは、関連用語である数値開口(NA)が光の取り込み能力と分解能を表し、fナンバーとは同じではありません。写真では、カメラがシャッター速度を設定する一方で、望みのfストップを選ぶために絞り優先モードを使うことがよくあります。明るさと被写界深度、回折と収差というトレードオフを理解すると、技術的な目的にも創造的な目的にも適した絞りを選びやすくなります。
レンズと絞りの挙動に関するより詳しい技術的背景については、光学の概説、写真の基礎、光と露出に関する資料を参照してください。