アプリア州イタリア語Puglia、アルバニア語:Pulia古代ギリシャ語:Ἀπουλία)は、イタリアの20州の一つで、南イタリアのアドリア海に面した地域である。首都はバーリ。

その最南端に位置するサレント半島は、イタリアの「ブーツ」のハイヒールのような形をしている。

地理と行政区画

アプリア州はイタリア本土の南東部にあり、西はイオニア海、東はアドリア海に面する細長い沿岸州です。州の面積はおよそ1万9千平方キロメートル前後で、人口は約400万人とイタリアのなかでも人口密度の高い地域の一つです。

行政区画(県=provincie)は主に次の6つで構成されています。

  • バーリ(Bari)
  • バルレッタ・アンドリア・トラーニ(Barletta-Andria-Trani, BAT)
  • ブリンディジ(Brindisi)
  • フォッジャ(Foggia)
  • レッチェ(Lecce)
  • ターラント(Taranto)

自然と気候

地形は平坦な沿岸平野が広がる一方で、北部にはガルガーノ(Gargano)半島の有する丘陵や森林、内陸には高原地帯(アルタ・ムルジャ国立公園)があります。気候は典型的な地中海性気候で、夏は高温で乾燥、冬は比較的温暖で降雨が集中します。サレントの海岸線は白い砂浜や断崖、透明度の高い海で知られ、夏季には多くの観光客が訪れます。

歴史と文化

アプリアは古代ギリシャ、ローマ、ビザンティン、ノルマン、アラゴンなど多様な文化の影響を受けてきました。そのため建築や宗教行事、方言、音楽などに独特の混合文化が見られます。州内には古代遺跡や中世の城、ロマネスクやバロック建築の教会が数多く残っています。

言語面ではイタリア語のほか、サレント方言(Salentino)やギリシャ系住民が使うGrikoなどのローカルな方言・言語も見られます。

主な見どころ

  • アルベロベッロのトゥルッリ:円錐形の屋根を持つ白い丸石の住居群。ユネスコ世界遺産に登録。
  • カステル・デル・モンテ(Andria近郊):フリードリヒ2世が築いた八角形の城。建築学的・歴史的価値が高い。
  • ガルガーノ半島:海食崖や森、巡礼地モンテ・サンタンジェロなど自然と歴史が融合する地域。
  • サレント海岸(レッチェ、オトラント、ガリーポリなど):美しいビーチと古い港町が魅力。
  • アルタ・ムルジャ国立公園:カルスト地形や古代ローマ時代の遺構が見られる内陸の自然公園。
  • バーリ旧市街:サン・ニコラ聖堂など宗教史跡と活気ある市場がある港町。

食文化

アプリアは食材が豊かな州で、農産物・海産物を生かした素朴で力強い料理が特徴です。代表的なものを挙げます:

  • オレキエッテ(orecchiette):手打ちの耳たぶ形パスタ、野菜やブロッコリーナと合わせて食べられる。
  • オリーブオイル:イタリア有数のオリーブ生産地で、エクストラヴァージンオリーブオイルは地元料理の基本。
  • ワイン:プリミティーヴォ(Primitivo)やネグロアマーロ(Negroamaro)など、個性的な地ワインが生産される。
  • チーズ・乳製品:モッツァレッラやブラータなどフレッシュチーズが名産。
  • タラッリやパン:地元のスナックや伝統的なパン類。
  • 魚介類:新鮮な魚介を使った料理やアンチョビ、イカ料理など。

経済と交通

アプリアの経済は農業(オリーブ、穀物、ブドウ)、漁業、観光が基盤です。一方でターラントの重工業(製鉄所)など工業部門も存在します。近年は観光の成長とともにサービス業も拡大しています。

交通面では、バーリ空港(Aeroporto di Bari)やブリンディジ空港が主要な空の玄関口。バーリ、ブリンディジ、ターラントなどの港もあり、フェリーでアドリア海を横断する航路が運航されています。鉄道や高速道路でイタリア北部やローマ方面と結ばれており、地域内の移動もバス・列車で比較的便利です。

行ってみる前のヒント

  • 夏は非常に暑く混雑するため、早めの宿予約がおすすめ。
  • ビーチは公共の場所と私設のリゾートエリアが混在するので、好みに合わせて選ぶと良い。
  • 地方の小さな村では英語が通じにくい場合もあるため、簡単なイタリア語表現や地図アプリを準備しておくと便利です。
  • 地元の食材を生かした料理を楽しむため、トラットリアやオステリアを積極的に利用すると本格的な味に出会えます。

アプリア州は豊かな自然、美しい海岸線、深い歴史と独自の食文化を持つ地域です。初めての旅行でも遺跡・ビーチ・食・ワインと多彩な魅力を同時に味わえる、南イタリアらしさが濃く残る州と言えるでしょう。